5-13 私、嬉しいです!
喫茶モンベールの片隅。オレたちは食事を終え、作戦会議という名のお茶会を楽しんでいた。
「じゃあクエストは二、三日後でいいよね」
焼き具合はバツグンながら、何だかよくわからん味のするクッキーをつまみながらリアが言う。
「はい、大丈夫です」
「そうしないと間も空くしな」
まあ、報酬自体は結構もらえてるんだが、さすがに一週間ほども空けるのはアレだし。
「次回はさ、26階から30階の間にしようよ」
お? いつもならもっと上の階に行きたがるのにどうした?
「あ、わかった。お前オバケに会いたくないんだろ」
「バッ……そんなんじゃないもん! 別にいいじゃん!」
「はいはい、そういう事にしてやんよ」
ぷーっと頬を膨らませていたリアが、ふと思い出したかのように口を開いた。
「そんな事よりルイ、あれ、いつ渡すのさ」
「ああ、そう言えば」
思い出したというより、話をそらしたかっただけか? ともかくオレは荷物を取り出す。
「ステラ、これどうぞ」
「え?」
「オレたちでマント買ってきたんだ。これならクエストの時も街歩きやすいと思ってさ」
そんな事を言いながらマントを手渡すと、ステラは驚いた表情でオレたちの顔をキョロキョロ見る。
「こんな、悪いです」
「いいんだって。それがないとステラ、仕事終わっても私たちと一緒できないし」
「パーティー加入のお祝いって事で、な」
オレたちの言葉に、どうやらステラも納得してくれたようだ。
「それでは……ありがたく、いただきます……」
「気に入ってもらえるといいんだけど」
「そんな! 大事に使わせてもらいます!」
そう言うと、赤みが差した顔でマントを見つめるステラ。か、かわいすぎる……。
「本当に、皆さんありがとうございます……」
「いいっていいって。これから頑張ってね?」
「期待してるぜ」
それにしても、これだけ喜んでもらえると嬉しいもんだな。思えば、オレ今までマトモに贈り物とか誰かに渡した事なかったわ……。あ、そうだ。今度リアにもなんかプレゼントするか。こっち来てからと言うもの、何だかんだでずっと世話になってるしな。
その後お茶も飲み終え、会計を済ませて店を出る。今日は100リル以内に収まってよかったわ。そして次のクエストを請け負うべく、三人でギルドへ向かった。ま、リアがゾンビにビビってるから31階以上には行かないだろうし、次回はだいぶラクできそうだな。
二人からの思わぬプレゼントに喜ぶステラさん。よかったね。
しかしこれだけリアちゃんがオバケを怖がってくれていると、ルイ君もしばらくは楽ができそうです。
物語の展開的にはとても困るんですが(笑)。




