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5-11 あんなの、インチキ霊感商法だよ!




 ギルド内、ゲートと受付をつなぐ廊下。謎のゾンビ軍団から無事逃げおおせたオレたちは、会話もそこそこに受付へと向かっていた。ようやく調子の戻ってきたリアが口を開く。


「ね、早く報告して、みんなで何か食べよ?」


「ああ……今日は疲れたもんな……」


「あ、私は今日はちょっと……」


「あ……」


「そうだよな……」


「すみません……」


 さすがにそのカッコじゃ店に出入りしたくないよな。オレはと言うと、ホントはさっさと帰って寝たいと言う気持ちもあるんだが、今日はまだ一人になりたくないわ……。ん?これは使えるか? どれ、ちょっとからかってやるか。オレはことさらにリアを見ながら言ってみる。


「まあ、すぐに解散して一人ぼっちになったら、リアが寂しがるもんな」


「へっ……?」


「家で一人きりとか、おっかなくてトイレにも行けないだろ」


「なっ……!?」


 一瞬驚きの表情を浮かべた後、顔を真っ赤に染めてオレをにらみつけるリア。


「バッ、バッカじゃないの!? 私、オバケなんか怖くなかったもん!」


「は? オレ別にオバケの話なんかしてないぜ?」


 わざとらしくすっとぼけて見せる。


「だったら何だってのさ? そういうルイだって……」


「げっ、今甲冑の音聴こえなかったか?」


「ひッ!?」


 オレのしょうもないウソに、ビビりまくってその場にしゃがみ込むリア。おいおい、反応がいちいち古典すぎるだろ。ホンットおもしれえわ。


「ルイさん?」


「すまんすまん、つい」


 ステラがリアの両肩に手をあてながら、オレをたしなめる。この絵も仲のいい姉妹っぽくていいんだよなあ……。



 受付に着くと、赤毛の美女がオレたちをねぎらってくれた。


「お疲れさま。……なんだか本当にお疲れね」


 アンジェラが、やや心配そうに声をかけてくる。


「まあ、いろいろあってな……」


「もう、思い出したくもないよ……」


 オレたちの様子を見て、どうやらある程度事情を察したらしい。


「なるほど、出くわしたのね」


「はい……」


「しっかり聖水もしてたのに、災難だったわね」


 それを聞いて変なスイッチが入ったのか、リアがキレ気味にまくし立てる。


「そう! 出てきたんだよ! あれだけいっぱい聖水かけたのに! 何あれ! 全然効かないじゃん!」


「そう……それはごめんなさいね」


「あ、いや、アンジェラに怒ってるんじゃないんだよ? 怒ってるのは教会! あんなインチキ商品売りつけちゃってさ!」


 よっぽど腹に据えかねてたのか、かなり危険なセリフまで飛び出す。おいおい、教会批判とか大丈夫なのか、この世界? ヤダよオレ、異端審問とか火あぶりとか。


「普通は聖水で追い払えるはずなんだけど……運が悪かったわね」


 オレからランドセルを受け取ると、興奮するリアをなだめるかのように穏やかに声をかけるアンジェラ。


「ていうかさ、私ゾンビが出るって聞いてたのに、なんでオバケが出るのさ?」


 リアの一言に、アンジェラの眉がピクリと動く。


「オバケ?」


「そう、オバケ! キレーな女の人がさ! スッポンポン! ちょっと美人だからって、自慢してるんじゃないの?」


「それと甲冑姿の人も二人いました」


「全裸の女と甲冑の亡霊……?」


 怪訝な表情を浮かべてつぶやくアンジェラ。どうした、なんかあったのか……?




何やら思わせぶりなアンジェラさん。

何か気になる事でもあるのでしょうか。

それにしても、リアちゃんはホントオバケがダメなんですね。

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