5-3 ステラさん、話してみると意外と人気
「さーて、まずは21階だねー」
リアが先頭に立ってゲートへ向かう。オレたちも後に続く。
「今日はどんな曲用意したの?」
「ああ、今までに作った曲と、前に言ってた演歌を作ってきたぜ」
「おお、えんか! コブシってやつだよね?」
「そうそう。お前らの反応を確認したいと思ってな」
この世界の音楽が古いなら、むしろ結構ウケるかもしれないしな。あ、でもロックの評判もいいのか……。ま、やってみないとわかんないな。
「フォーメーションもうまく機能するといいな」
「はい、がんばります」
「21階くらいだと、全部ステラが片付けかねないよねー」
そんな事を言い合いながら、21階へのゲートに到着。魔法陣に乗ると蒼い光に包まれ、次の瞬間には詰所に到着した。
広間に出たオレたちを、見張りでダベってる連中が興味深そうに見てくる。ああ、この前と似たような反応だな。
「ようリア、そっちの姉ちゃんは……」
「この子はステラ、メチャクチャ腕利きの斧兵だからスカウトしたんだよ。みんなよろしくね」
有無を言わせぬ調子でリアがステラを紹介する。こう言われては連中もこれ以上ツッコむわけにもいかない。
「よ、よろしくお願いします……」
「お、おう、よろしく……」
先手を打たれたせいか、意外と騒がれる事もない。考えてみれば、この前は行きにはいなかったはずのステラが帰りに加わってたってのもあるから、あれは特殊な状況だったのかもしれないな。
「その子、あんまり見ない顔だけど……」
「ああ、だってステラはレベル37だもん。いっつも30階あたりでソロプレイしてたんだって」
「マジか!」
「凄げえ!」
リアの話にどよめく見張りたち。いや、実際凄いよな。こういう所に反応するってあたり、やっぱコイツらも冒険者なんだねえ……。
「仲良くしてあげてね?」
「も、もちろん!」
「困ったら何でも言ってくれよ!」
「お、おれ、握手お願いします!」
ありゃ……? むしろ人気者じゃね? リアの人望もあるだろうが、主に野郎どもがデレデレに見えるんだが……。まあ男だもの、仕方ないか。
「ちょっとアンタたち、ステラはシャイなんだからそんなに一気に来ないでよ」
「おお、すまん」
「つい、な」
「控えめなのがまたいいなあ……」
いやいや、人気ありすぎだろ! むしろなんで今までぼっちだったんだよ!?
「こりゃリアがアイドルの座から陥落するのも時間の問題かもな」
意地悪く言ってみる。
「それは助かるよ。最近ファンをさばき切れなくなってきた所だからね」
コイツ、ホントいい性格してるわ……。てか、この世界にアイドルの概念ってあんのか?
それまで接点なかった人でも、友達を介することで仲良くなるって事はよくあるものです。
ステラさん、よかったね。




