3-19 もしかして、信頼されてる?
「てかよぉ」
「ん? なになに?」
「オレたちいつも報酬等分してるけどさぁ、ホントにあれでいいのか? いつもリアが戦ってんじゃん」
ま、今日に限ってはむしろオレの方が多くもらいたいくらいだけどな!
「え、何? ルイってそんな事気にしてたの?」
ポカンとした顔で、リアがオレを見つめる。
「二人でクエストやってるんだから、報酬を山分けするのはあたりまえじゃない」
「いや、でもリアの方が働いてるのにオレと分け前が同じってのは不公平と思わない?」
「え、ルイはそんなに私にたくさんもらってほしいの?」
「そういうわけじゃないけどよ」
ふーっと息を一つ吐き、頭をかきながらリアがかぶりを振る。
「それはさ、発想が逆なんだよ」
「逆?」
「そ。仕事しただけ分け前をもらうんじゃなくて、分け前の分だけ仕事するんだって考えればいいじゃん」
手を頭から離し、リアがこちらに顔を向けた。
「だから、仕事の分だけ分け前をどうこうするってんじゃなくてさ」
リアが言葉を続ける。
「もらいすぎだと思うんだったら、それに見合うだけがんばって働けばいいんだよ」
そんなの当たり前じゃん、って顔でこともなげに言うリアに、正直オレは頭を鈍器でぶん殴られたような衝撃を受けた。そんな発想、全然なかった……。なんかちょっとだけ、リアがまぶしく見えるのは気のせいだろうか。
あれ、でもそれってやっぱリアには損な話じゃないか? オレがサボっても分け前半々って事だろ? リアはその辺わかってて言ってるのか?
「なあリア、その考えだとさ、もしオレがサボったらどうすんだよ」
「はぁ?」
オレの疑問に、リアが呆れ顔で声を上げる。
「ルイってば、わかってないなあ」
やれやれと肩をすくめて頭を振るリア。
「アンタは、そんな事するようなヤツじゃないでしょ?」
……え? あれ? オレってもしかして、リアにメチャクチャ信頼されてる?
「そういうわけだから、ルイが気にすることは何もないよ」
オレの背中を一叩きして、リアが笑う。てか痛てえよ! ちったぁ加減を考えろ! せっかくちょっといい話してたのが台無しだろ!
リアちゃんの気持ちが垣間見えた今回のお話。
こういう分け方は相互の信頼関係がないとあっという間に破綻するんですが、この二人なら心配いらなそうです。




