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3-9  詩人、調子に乗る




 その後もオレの熱唱は続き、一曲歌い終わる頃には二人とも顔真っ赤で目もうるうるだった。あれ? そんなによかった? 今ならもしかして二人とも落とせるんじゃね?


「どうだった? オレからのプレゼント」


 やや気取ってステラに話しかける。我ながらキモいセリフではあるが。


「え、その……」


 ステラはもじもじしながらオレから目をはずした。あれ、これって恋する乙女のリアクションじゃね? 実はホントにオレに惚れちゃってたりする? 


「と、とっても素敵でした……」


 キタ――! これは惚れてる! 絶対惚れてる! 誰が何と言おうと! ついにオレにも魔法使いルートから脱出する時がやってきたのか? これはもう、ここでキメるしかない!


「そうか! じゃあ今夜はいっしょに……げふうっ!?」


「なーに調子に乗ってんの」


 バッカ、だから脇腹に肘を入れるんじゃねぇ……! こ、呼吸が……!


「な、何だよ、ぜぇ、おま、や、やきもちでも、やいて……」


「おーっと、肘だけじゃ足りなかったのかなー」


「ご、ごめんなさい……」


 なんかコイツ、加速度的に暴力女化してる気がするんだけど……。あ、いて! いてて……。




「さーて、それじゃあ私たちはクエストの続きといきましょうか」


 ひとしきりオレを小突いた後、リアが言った。


「そうだな、オレもさっさと帰りたいし……。じゃあステラ、この石持ってくれる?」


「はぁ? ルイ、何やってんの?」


 素っ頓狂な声を上げるリア。


「何って、ステラに石持つの手伝ってもらってんだよ」


「何言ってんの? クエストは私たちだけでやるに決まってんじゃない」


「はあ?」


 今度はオレが声を上げる番だ。何意味わかんねえ事言ってんだコイツ?


 


今までにも増してアタリが強くなってきた感のあるリアちゃん。

女の子って難しいですね。

次回、ルイは無事ステラに石運びを手伝ってもらえるのか!?

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