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3-4  女戦士、危機一髪




「……あのコ、ちょっとヤバいかも」


「え?」


 急にシリアスな声になったリアに、オレは間抜けな返事をしてしまう。


「ヤバいって、何がだよ」


「ほら、おっきい蛾が三匹飛んでるでしょ? あれ、痺れ効果のある鱗粉まいてるんだけど、どうもそれがまわってきてるみたい」


「それ、ヤバいどころじゃないだろ」


「パーティーならどうって事ないんだけどね。ソロプレイだと致命的だよ」


 見れば女の子のまわりにはリザードマンやロックタートルの死骸が横たわってる。そっちの強モンスター相手にしてる間に痺れがまわってきたって事か。女の子の方も最後のリザードマンとのタイマン中だってのに、もう足元がおぼつかなくなってきてる。確かにヤバい。



「いくよっ!」


「おう!」


 言うや否やオレはリアの後ろから飛び出し、バトル用の歌を歌う。駆けろ、駆けろ、駆けろー。


 今や立っている事もできなくなりついに座りこんでしまった女の子に、リサードマンが剣を振り上げる。その脇腹に、リアが投げた短剣が唸りをあげて突き刺さった。距離をあっという間に詰めたリアが、絶叫を上げる化け物の腕を叩き切る。返す一振りでトカゲの首が飛んだ。つ、強ええ……。飛んでいた蛾も、リアの投げナイフの前になす術もなく霧散する。いや、ホント文字通り霧と化しちまったよ! いつも思うけど、どんな威力なんだよそのナイフ!



「ふー、間一髪だったねえ」


 何事もなかったかのようにリアが額をぬぐう。いや、お前汗なんかかいてないだろ。


「あなたも大丈――夫……?」


 女の子に声をかけたリアが絶句した。そのまま女の子を凝視する。何かあったのか? オレも駆け寄っていった。


「おいリア、どうし――た……?」


 疑問はすぐに氷解した。リアの視線の先には――ありえないほどボリューミィな、生まれて初めて見るサイズの双球が。信じられんデカさだ……。これ絶対G、いやHだろ! ヤバい、何だか吸い込まれそうだ……。


 その時、オレの脇腹に猛烈な痛みが走った。てか痛てえぇぇえ! 吐き気さえもよおしてきたぞ!


「ルイ、どこ見てんのよ」


 るっせぇ! 脇腹殴るヤツがいるか! オヤジにも殴られた事……とかいってられる痛さじゃねえぞ! 死ぬ、死ぬ!


「あの……助けてくれて、ありがとうございました……」


「あ、痺れとれてきた?」


 オレをおいて会話進めんな! だいたいオマエが乳見て固まったからオレもつられたんだろうが! 何でオレが一方的に変態扱いされなきゃなんねえんだよ!?


「なんかろれつが回ってないね。まだ痺れる?」


「はぃ……すぃません……」

 

 痺れのせいなんだろうが、舌足らずなしゃべりが何かエロいな。服装はもっとエロいけど。


「ルイー、痺れとれるまで何か歌ってあげなよー」


「歌えって、ハァ、言われても……」


 オマエに殴られたせいでマトモに呼吸できねえんだよ! 少しは加減ってモンを考えろ! ハァ、ようやく落ち着いてきたぜ……。



わかる、わかるよルイ君、その気持ち。

だって男の子だもの。

次回、新キャラも加わって一気に賑やかになりますよ、多分。

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