3-2 世の中、そんなもんだよね
「そういや前々から聞きたかったんだけど」
「なになに?」
「今ギルドの登録者ってどのくらいいるんだ?」
「そうだね、4ギルド合わせて3000人近くいるんじゃないかな?」
「ほう、結構いるんだな」
「もっともそのうち半分以上は王国の軍人とか貴族の私兵、派遣の仕事やってるから、実際に冒険者として活動してるのは1000人ちょっとかな。副業の人とか幽霊メンバーも多いしね」
「なるほど、雇われの方が安定してるって事か」
「おっ、ものわかりがいいじゃない」
リアが得意げにウィンクしてくる。なまじカワイイだけに、バカにされてる感満点で腹立つな。
「まあ、その分冒険者は上に行けば一攫千金が狙えるけどね」
「それだけリスクも高まるんだろ?」
「そういう事。ルイのくせに冴えてるじゃない」
そりゃあオレも就活考えなきゃならない時期だったからな。正社員のありがたみはよくわかってるさ。まあ、一攫千金狙えるようなスキルなんて持ち合わせてるはずもないオレは正社員一択なんだが。
「じゃあ、その上の方ってのはどのくらいいるんだ?」
「そうだねぇ……、扱いが変わってくるのはやっぱBランクからかな? なんせ全部合わせても100人くらいしかいないからね」
「ほう、そりゃ希少価値も出そうだな」
「そうだね、王国の隊長さんとか貴族の傭兵隊長とか、仕事もよりどりみどりだよ」
「なるほど、就活エリート様ってわけか」
「え? シューカツって何?」
「いやこっちの話。でもそのレベルなら冒険者やっててうまみなんてあるのか?」
「へっへーん、やっぱりルイはわかってないなあ」
知らねえよ! だから聞いてんだろが!
「いい? Bランクが100人ちょっとしかいないって事は、41階から50階までのアイテムを全部彼らが独占できるって事だよ?」
「ああ、そうか」
「もちろん王国も調査隊を編成していろいろ集めてるけど、パーティー組んでレアアイテムゲットすれば、高く買い取る店はあるからね」
「そりゃ儲かりそうだな」
大企業に雇われるか、才能あふれるメンバーで起業するかの違いか。いずれにせよオレには縁のない話だな。ケッ、エリート様は未来が明るくて羨ましい限りだぜ。
せっかくの異世界(?)で現実(?)の厳しさを知るルイ君。
人生甘くないよね。もっとも、甘いシーンなんて今までもなかったけど。
めげずにがんばろうね、ルイ君。




