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3-1  出世するほど、足元は狭くなる



 あれから二週間。オレたちは三度のクエストをこなし、オレもわりとあっさりDランクに昇格してしまっていた。ホント全部リアが片付けてんのにな。そしてオレがDランクに上がったお陰で、ダンジョンも30階まで行けるようになっちまった。


 おまけにこの前アンジェラが「そろそろリアもCランクに昇格しないとね」なんて余計な事言うもんだから、リアもその気になっちゃって。「じゃあ次は30階で私のレベルアップだねー」とか言い出すもんだからさあ大変。


「さー、今日もはりきっていくよー」


 オレの家に来るなり開口一番これだ。付き合わされる身にもなってくれよ……。


「キミ、ホントに顔に出るねぇ」


「え、な、何が?」


「今絶対めんどくさいとか思ってたでしょう」


「い、いや? オレもがんばらないとなーって思ってたとこだぜ?」


「言っとくけど、あくまでアンタの特訓がメインなんだからね」


 うぇーい、わかりましたよー。機嫌を損ねる前に準備してちゃっちゃと行くか。




 というわけで、いつもの道。

 今日のクエストは30階で石集め。マジで30階行くのかよ……。オレはまだレベル22になったばっかだっつの。


 それより問題は石集めだ。これ、ヘタしたら30キロ超えるぞ……? どう考えても重すぎだっつうの。どうせ全部オレが持つんだろ? これがあるからイヤなんだよ。バトルよりこっちのがずっとキツいんじゃないか? そんなわけで、今日は丈夫なリュックを持参している。


 いや待てよ、今回はヤバくね? これまではリアの隠密スキルがあったから格下のザコキャラに遭わずにすんでたけど、今回はリアにとっても適正レベルのエリアだから普通にモンスターとエンカウントするじゃん! 30キロの荷物なんか背負ってたら敵から逃げまわるとかムリだろ!


「おい、リア! 30階でもお前の隠密スキルって効くのか? 効かなかったらオレヤバくね?」


「あー、そういやそうだった。てへっ」


 テヘッ☆ じゃねーよ! そんな大事な事忘れてんじゃねー! 


「でもいいかげんルイも慣れてきたでしょ?」


「いくら慣れたって石が増えてきたらオレ動けないだろ! お前が持ってくれんのかよ!」


「いや、それはムリ」


 即答かよ! コイツ本気でオレを殺す気か!


「だって私がそんなの持ってたら敵倒せないじゃん。時間がかかればかかるほどルイの危険も増すんだし」


「そ、そうか……」


 そういやそうだった。じゃあどうするんだよ? もしかしてオレ、もう詰んでね?


「うーん……」


 腕組みして歩きながらリアが考え込む。



「あ、わかった!」


「お、なんだ?」


「その石で戦えばいいんだよ! 敵に投げつけて!」


「ねーよ!」


 ざっけんな! 思わずツッコんじまったじゃねーか!


「バカかお前! 石投げるとか小学生かよ!」


「何よー、アンタなんか何の案も出してないくせに。ていうかショーガクセーって何?」


「ああ、小学校ないのか。めんどくせえ」


「ねー、ショーガクセーって何ー?」


 なんだよ、どうでもいいだろそんな事! なんで食いついてくるんだよ、めんどくせえ! いいや、テキトーに流しとけ。


「とってもかわいくて人気のある女の子の事だよ」


「へー、じゃあ私もショーガクセーだね」


「BBAムリすんな」


「あー! 今ババアって言った!」


「BBAは通じるのかよ!」


 なんだよこの世界! どっかの動画サイトのNGコメント規制基準並みにワケわかんねーぞ!




というわけで、第3章に突入です。

ルイ君の修行はさらに危険度を増していきます。

しかしアイテム採取系のクエストは、人が少ないとメチャクチャ大変ですね。


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