2-9 トカゲをさばける女の子って、家庭的だよね
「まったく、お前はオレをおどかしすぎなんだよ……」
「だから、ホントはもっとピンチなはずだったんだって」
「ホントかよ。またからかっただけなんじゃねーの?」
「ウソじゃないって。普通なら私が同時に相手にできるのはせいぜい三匹までだから、ルイは確実に一匹相手にしないといけなかったんだよ」
「ほう」
「そうなったらルイには戦闘能力ないんだから、ケガどころじゃ済まないかもしれなかったの」
「た、確かに……」
レベル11で、しかも詩人のオレが13階のツインリザードとタイマン……ヤバい、わりとマジで死ぬかもしれない。
「それで、ルイは絶対守らなきゃと思って必死に戦ったんだよ」
「その結果がこれか……」
「ルイに何かあったら、彼にも合わせる顔がないし……」
「ん? 彼って?」
「ううん、何でもない! こっちの話!」
慌ててリアが首を横に振る。そういう否定の仕方されるとかえって気になるが、しかし別にコイツの男関係に興味などないのでほっておこう。リア充うぜえ。
「とにかく、危険な目に遭わせちゃってごめんね」
「いいよ、別に全然平気だったし」
「それと……」
少しうつむいて頬を染める。
「応援してくれて、ありがと」
ぐうっ!? なんかクッソかわいいんだけど? コイツ、オレがDTなの知っててからかってるのか?
「いや、それは元々オレの仕事だしな」
「そうだね」
なんかだんだん変な空気になってきたんだけど? だまされねえぞ、どうせこれも罠だろ。危ない危ない、ここでオレも気がある風な態度見せたら、今ごろ何言われるかわからんとこだった。話題変えないと。
「さ、さて、皮剥いていかないとな」
「え、あ、そうだね」
一瞬ポカンとした後、リアがうなづく。おいおい、オレをからかうのに夢中になりすぎなんじゃないか?
「と言っても、オレは何にもできないんだけどな」
「大丈夫、私が全部やるから。ルイはなんか曲でも弾いててよ」
そう言うとリアはさっそく皮剥きにとりかかる。てか、すげえ手際いいな。スーッとナイフを入れて、ビーッと剥いでいく。こりゃすぐ終わりそうだわ。せっかくだから、オレも一曲弾いてみるか。きーらーきーらーひーかーるー……。
「その歌、なんかかわいいね」
「そうだろ、子供の時によく聞いた曲だ」
「へー。なんだか私、のってきたよ」
その言葉通り、リアの動きが速まっていく。てか、速ええ!? さっきより一段と速いぞ? そんなに速くさばけるもんなのかよ!
トカゲの処理は『きらきら星』を四回くらいループしたところで片付いた。早っ! その後もオレたちは狩りを続け、十匹狩ったところでもう皮を持ち切れなくなってきたので帰ることにした。
どうやら普段のリアちゃんはあんなにハイスペックではないようですが……。
はてさて、一体どういう事でしょう。
次回は二人が痴話ゲンカします(笑)。
ところで『きらきら星』はパブリックドメインですよね?
某団体がやって来る事はないと思いたいです。




