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〆第二話

 前回の第一作で何の説明も無しにコーナーを勝手にしてしまいましたが、まえがきでは登場人物紹介、後書きでは作者のこの物語の設定の一部や制作の裏話をご紹介させていただくことにしましたので、そちらもよろしければお読みください!*時たまネタバレを含むことがありますので、ご注意ください!!

 自分の中に確立された人物像を考えるのが好き、もう人物像を想像してしまっているという方は、どうぞ無視して読みすすめてください(笑)


 ~登場人物紹介②~

  瑪瑙めのう 摩花さすけ 齢: 22

 衰退する一族の末裔。家族を幼い頃の戦で亡くす。斗極家の椥葩に拾われ、父のように慕う。

 普段は長い黒髪を高いところで一つに縛り上げている。左の目尻の辺りに三日月型の傷を負っている。

 自分を含め誰にでも厳しい性格。無口でほとんど喋らない。武術の腕が立ち、家来の中でもトップレベルの実力を持つ。李ン音と幼い頃から仲が良く、李ン音の相談相手でもあるが、世話役の夛和人はこのことをあまり良く思っていない。

 馬は黒馬の夜矢よや

 


 摩花からその事実を聞いた時、李ン音は、何も口にすることができなかった。その代わり、走りはしないまでも 歩く速さが、父を心配する李ン音の心境を表していた。


「父上、失礼致します!」


 李ン音は摩花と夛和人を連れて、椥葩の寝室の襖を勢いよく開けた。

 泰蘭が流行っているこの時代に、この部屋には枕元と他、所々に少しの蘭が飾ってあるだけで、他の部屋より寂しい気がする。しかし そのせいで、椥葩の居る布団の白さが目立つのだった……。


「な、何故このような事になったのですか?何があったのです⁈」


 父を問い詰める李ン音。しかし、椥葩はただ首を振るだけ。その顔は蒼白で力なく、しかし目はしっかりと李ン音を見据えた。

 緊迫した空気に包まれたこの部屋の沈黙を破った李ン音の声はよく響いた。



「李ン音よ、私もそろそろ終わりのようだ。しっかり、わしの言う事を聞くように……」


 やっと椥葩はその重い口を開いた。

 李ン音は、言葉に詰まる。誰も何も言おうとしないで、数分ほど経った時――皆が一刻経ったのではないかと錯覚するような長く短い時間だった…。椥葩が突然その時間を切り裂くように続けた。


「今回、私は 遺言状に頼らず、此処で皆に全てを伝えようと思う。

 皆への感謝もあるが、謝罪もあるのだ。死んでからそれが分かっても、私は逃げたような気がして申し訳ないからのぉ…。ただ、私が全てを話して自分が楽になりたいだけなのかもしれぬが……」


 椥葩は誰にも聞こえないような、深呼吸のような溜息を一つついた。

そしてこれから記載する事が、椥葩から告白された内容である。


 まず、椥葩は遺言を聞くために参列した者達に、感謝をした。

 本当に、何度も何度も。

 家来や女中に泣かぬ者は居なかった。

 ただ、李ン音と摩花は、唇を噛み締めて俯き、椥葩の話しを耳に入れながら、銘々物想いに耽っていた。


 そして、椥葩は続けた。

 その話の内容は、摩花についてだった。

 今迄、摩花に関わるその自分が仕出かした悪行以来、善行に努めてきたと言う。だがしかし、許してもらう気は無いらしい。それほど、許し難い事をしてしまったらしい。


 摩花は 戦で肉親を亡くした……――。


 何故 摩花が、仕えている斗極家の将軍・椥葩を「父上」と呼ぶのか。それは、幼い頃 戦で家族を失い、一人で彷徨っていた摩花を椥葩が面倒を見てやったからであった。



 そう、出会いは ほんの極自然なものでしかなかった。ある日、その頃まだ瑪瑙家が栄えていて、そして それは斗極家とさほど実力の違わなかった時……。

 椥葩は焦っていた。まだ自分は、階級の低い武士貴族だ。まだまだ上がいるというのに、また追い越されようなんて、論外……。

 思いを苦く噛み締めていた時期だった。


 瑪瑙家は、その頃斗極家と同じようにある程度の土地を持っていた。しかし、その質は明らかに違っていた。瑪瑙家の土地は、良質で自然が多く、至る所に川が流れ動物が鳴き、また薬草や木の実、山菜などは売る程あったのだ。

 それに引き換え斗極家の土地はというと、ただのだだっ広い乗馬の練習しか出来ないような大きい草原と、何も成らない杉の木ばかり生えた、あまり大きくない山が一つだった。その山を開墾しようにも金が無い。家来に乗馬を練習させようにも、数が少ないので 見ていると悲しくなったものだった。


 さて、瑪瑙家はそんな裕福な土地を持っていながら、あまり活用できていないということだった。

 とことん金が無い時凄まじく金に執着していた椥葩は、信じられなかった。どうしても許せなかった。まるで瑪瑙家の当主が自分に見せつけるために土地をそのまま残しておいているようにしか見えなかった。


 そしていつしか椥葩の心には、瑪瑙家を潰そうとする気持ちが芽生えていた……。


 

 短い上に、変なところで切ってしまってすみません!…といっても、以前の自分が書いたものに少し手を加えただけなんですけど(苦笑)

 誤字脱字、ニュアンスに納得のいかない点、設定の矛盾など、何かございましたらお手数ですが、コメントかメッセージでよろしくお願いします。


 -作者の『木漏れ日に揺れる』わあるど-

 何がきっかけでこの話を書こうと思ったのかはわかりません。…正確に言うと覚えていません(泣)もう、執筆していたのが今から二年以上も前のことなので…。でも 前々から知識は無いにしても、時代モノが書けたらいいなと思っていたのが原因なような気がします。

 それにしてもこの気まぐれな創作意欲をどうにかしてください(笑)欲しい時に無く、いらない時に出てきやがるんです…。

 本来、前書きや後書きって何を書くものなのかあまり分かりませんね(苦笑)

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