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〆第一話

 最後に投稿したのがもう随分と前のことで、自分でも内容がうろ覚えだったので、再度内容を確認する意味でも、改訂版を書いてみることにしました。

 最初は好きな俳優さんをイメージしていた記憶がありますが、今は自分の中で確立された主人公像があるのでそれに忠実に書いて、自分らしい作品が書けたらいいと思います。

 振り出しに戻っての再スタートですが、どうか温かい心でお付き合いください。


 ~登場人物紹介①~

  斗極 李ン音 (ときわ りんね) 齢: 22

 父親はこの燈籠時代を治める将軍。長男で次期将軍の期待が高い。

 茶髪で後ろにひと房の長い髪を一つに縛り、他の髪は短くまとめることはしていない。

 おおらかな性格で、何事においても寛容。時代の所為か、争いごとを人一倍嫌う。

 馬は白馬の駆月かつき

 


 一人の青年が、木漏れ日の中に、袖の中で腕を組んだまま立っている。陽は、南より少し西に傾き始めた頃。

 その青年はこの時代には珍しい茶髪で、後ろにひと房長い髪を残し、あとは短く切ってまとめることをしていない。二十歳を過ぎて間もないと思われるまだ垢の抜け切らない人懐っこそうな顔立ちである。上質な淡い青と緑の狩衣を身にまとっているが、烏帽子は被っていないところが近寄りがたさを感じさせない。隣には大きくしなやかな白馬を添わせている。


「今日は風が無いな…」


 誰に語りかけるということもなく、切れ長の目を木漏れ日に細めて…。しかし手でその陽光を防ごうとはせず――



  ――・・・― 〆 ―・・・――



「斗極様ぁぁぁ~~」

 少し息を弾ませた初老の男性の声が、木々の合間からこだまして聞こえてくると、青年は白馬を引いてその声がする方へ歩いて行ったのだった。



「探しましたぞ…」

 男性は、その斗極と呼ばれた青年を叱りつけるように言った。

「悪いな」

 苦笑しながら青年は言う。

「悪い、どころではございませぬ!貴方はもう子供ではないのです。…殿下がお呼びですぞ」


 さて、この青年は一体、何者なのか。


 斗極 李ン音。この燈籠時代 現将軍・斗極 椥葩の次男。自由奔放であり、全てにおいて固執しない性格の持ち主である。次期将軍としての期待が高い、候補の一人である。


 では、少しこの時代についても触れてみよう。西暦806年から続く、燈籠時代。貴族の間では、泰蘭(ランをそこかしこに飾りつけること)が流行っている今日この頃…982年(穂茂4年)。代々、斗極家によって治められてきたこの約三十年間は、実に平和なものだった。

 だが しかし、近頃 物騒で反幕府の輩が増えており、時たま 将軍が危険に曝されることも少なくなかった。何処ぞの国の武将が将軍を狙っている、という噂も絶えない。それに、椥葩ももう50と、それほど若くはない。そのため、将軍が遺言状を書き直すことが多く、それで屋敷内がばたばたする日がよく見られるようになった。


 今回 李ン音が呼ばれた理由も、その所為であろう。将軍がそうする時は、一家の者達を皆集めてから始めるのが、いつしか定則となった今日である。


「じい、父上はまた、遺言状を書き直すのか」

 じいと呼ばれたその男性は、代々斗極家に仕えてきた渡露家の人間である、夛和人。現在、47歳。若者に負けない意地があり、根気強いので屋敷内の人気者だ。代々斗極家の息子に仕えていて、今は 李ン音の世話役である。長年 世話役をしてきたためか、心配症な一面を持つようになった。


「そうだと思いますがの…。なにしろ、誰もわしに理由は告げず、椥葩様がお呼びになられているから、早急に李ン音様を呼んで来い、と言われて来たものですから。…李ン音様、そろそろ私のことは名前でお呼びくださいと、何度も言っているではないですか」

「じい、子供の頃からの習慣がそう簡単に抜けると思ったら大間違いだぞ。…それにしても頻度が多すぎる…。父上が何を考えているのか解せんな」

 少々沈黙があり……。

「じい、ちぃと急ぐぞ」

「はっ」

 二人は、屋敷に向って馬を走らせた。



  ――・・・― 〆 ―・・・――



 夕刻、斗極邸 着。

 途中で、李ン音を捜索していた家来達と合流した。


「李ン音様が 御帰りになられたぞ!」

 屋敷の門を潜ると、気性が荒そうな坊主頭の男がドスの効いた低い声を響かせた。

 この男は、斗極家の家来で一番傲慢なことで有名な、武術の手練れでもある、鹿葉 刃守。身長は190センチ近く、大柄でよく鍛え上げられて傷の多い筋肉が印象的だ。自身の名前と被る所為か、体格に似合わず蓮の花が好き。


 いつもは、刄守がそう叫ぶと、家来が家まで 道なりにずらりと並び、李ン音を迎える。

 というのが当たり前だったのだが、どういう事か今日は家来の半分も並んでいないではないか。


「摩花、摩花はおらぬか‼」

 李ン音が呼ぶ。


「はい、此処に」

 摩花と呼ばれた青年が即座にそれに返事をする。年齢は李ン音と同じくらいだ。眼力の強い目をして、左の目尻辺りに三日月型の傷跡がある。髪は長く、高い位置で一つに縛っている。


 瑪瑙 摩花。恐ろしい程に無口な男である。仕事が早く正確で、今までに言いつけられた仕事は全て完璧にこなしてきていて、武術の腕に長けている。李ン音の相談役だ。


「何故、何も言わずに屋敷を出て行かれたのですか」

 少し強めの口調で摩花が言う。

「それは後だ。それより、残りの家来はどうしたのだ」


 李ン音は全ての家来が迎えに出てこないことに腹を立てたりはしない。しかし、毎回欠かさず出迎えてくれていた家来が、こんなにもいないとなると心配せざるを得ないのだ。


「お父上が…、何者かに刺されて重傷を負っていらっしゃいます!」


 夛和人に呼ばれた時から感じていた李ン音の嫌な予感は、的中してしまったのである。


 

 こんな話だったんですね…(オイw)

 過去の私は自分でも鳥肌が立つ書き方をしていて感動しました(つまり、言い回しが下手くそ過ぎて読んでいて鳥肌が立つほど気持ち悪く思えたってことなんですけど)。

 こんな感じの、その時に出来るだけの量で更新していきたいと思いますので、これからも楽しみにして頂けたなら幸せです。


 -作者の『木漏れ日に揺れる』わあるど-

 語り手は一応作者です。登場人物の感情がいきなりに入ってくることもあるかと思いますが、どうにか読者様の解釈力を信じておりますので…(エッ)

 燈籠時代というのは本当に意味が全くない思いつきです。あぁかっこいいなぁという作者の厨二病精神がそうさせたのです。他の登場人物などの名前も懲り過ぎる癖があるのでどうにか頑張って抑えて行けるように頑張りたいと思います(笑)

 ちなみにこの度の書き直しで、名前を変えた人がいます。ご了承ください。

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