宿屋ノワーヌ
宿屋とか傭兵に関しての世界観を自分用に整理(?)したくて語ってみた話。
でも物語的な要素は皆無なので、長文を読むと眠くなるよ~という方は飛ばすのもアリじゃないかと。先に進むか否かはお任せします。
カーランディア王国の副都には、傭兵専門の唯一の宿屋がある。
宿屋といえば一般的に旅人や冒険者、中小の商人などが利用する施設であり、『職業傭兵』を相手にすることは例外を除いてはまずないと言ってよい。それは傭兵がどこの国にも属さず、その為に国民の義務である納税を免除されるメリットもあるが、代わりに法的な保障が受けられない(ただし仕事上の保障に限っては諸事情からある程度認められている)というような、身分上とても不安定な立場にあるからだ。また、一部で傭兵によって起こされる問題も少なくない。だから、宿屋はリスクを避けようとするのである。
ちなみに例外とされるのは、①傭兵のみではない集団客、②傭兵の雇い主からの紹介、③各傭兵団所有の施設の場合である。
もっとも、①は傭兵以外の仲間が必要であるし、②はある程度信頼され、かつ実力を認められた者だからこそ紹介を受けられるといってよい。③は当然その傭兵団に所属している必要がある。これらの例外はどれも、ある程度の経験と実力が求められるのはもちろんのこと、信頼や協調性などがなくては話にならない。その為、新人や実力不足な者、はみ出し者などには厳しい条件なのである。
――とここまで述べたのが昨今の一般的な常識あるいは概念である。
が、本来は“傭兵を泊めてはならない”という法律自体は存在しない。かつて起こった戦乱の折には傭兵が急増し、割高であるが彼らを泊める宿も各地に見られたこともある。現在そんな宿屋が消えたのは治安がある程度安定し、国内の自衛・国軍の育成の成果が形になって表れたことが影響していた。つまり、傭兵の立場や待遇は時代の流れにより、常に変化するものなのである。
そんなわけでカーランディアの副都に現れた傭兵専門の宿屋ノワーヌは、周囲から警戒されながらも、傭兵からは評判のよい宿屋として日々営業を続けていた。
物語の舞台、宿屋『ノワーヌ』の説明はとりあえずこんなところである。
お疲れ様でした。
あまりじっくり読まれると色々矛盾を発見されそうで怖いのですが、“傭兵専門”“唯一の宿”が成り立つ世界観とか背景を考えていたらこうなった、という話でした。