糖分が不足している
春の
鉄分の多すぎる
日差しに
当てられた
地面や
建造物が
浮かび上がる
意識の流れに
投影された
その不定形な
心に戸惑う
揺らぎに
糖分が不足している感情的論理
そうして
水を飲み
干す
空になったペットボトルに
詰められた
パステル色のビーズ
その宙に浮いた
形而上的
無感情な季節感に
雨具に守られて
歩いていく
道端に落ちた
ろくでもない花びら
ダンスのような
転がるような
そうして
遠い
夏が滑り込んでくる
冬のつま先に当たった
季節が
春という
塩分の塊のような
幻想郷の
勘違いした
温もりを
非活動的に
活動する
衝突の美学
亀裂の入る写真に映る
人々の
動力源となって
酔いしれる
雑巾のような
原子的な
消費される時間となる