第7話 ホテル
ホテルに着くとショーンは202号室に直行した。ドアのキーを認証アイで開け、中に入った。
ベッドでキナーは音楽を聴いていた。おれがあげた携帯CDプレーヤーだ。かなりレトロだと思う。
キナーはピンクの透けたパジャマを着ていた。眠そうだ。
「やあ。待ってたよ。」キナーは酒で顔を赤らめていた。ショーンはこれからの戦闘を考えると
急に不安になった。生きて帰ってこれるか。キナーとまたお話ができるか。
「どうしたの?もう寝ようよ。なに考えてるの?」
「いや。いいの。ちょっとまってて。睡眠剤だすね。」ショーンはポケットから鍵のついたケースを
だした。そして首にチェーンで巻きつけてある鉄の鍵で開錠した。
「さあ。これ飲んで。一杯やりたかったけど」ショーンは睡眠薬を出した。
「ちょっとだけ、飲む?」
「そうだね。ちょっとだけ」ショーンは冷蔵庫を開けた。やったスピリタスがある。これでないとな。
ショーンはグラスに半分、スピリタスをいれ氷をたした。キナーはアーリータイムズをコーラで割った。
乾杯をして、仲良く飲んだ。ショーンはずっとこの幸せが続けばいいと思った。しかしキナーにはいって
ないがおれはミスをおかした。自分でも気づいていた。キナーが同胞だと。同胞と深い関係をもってはいけ
ないことを。おれはこのままでは許されないだろう。アンドロメダの戦士として。
このまま寿命をくるまでキナーといたい。すこしでも長く。
ショーンはスピリタスをごくっと飲み干し、キナーを押し倒した。
「だめなの。ショーン。」キナーは拒んだ。
「どうして?」
「よく分からないけど。ショーンと寝るとしばらく意識がなくなるよ」
「え?いつから?」
「最近よ。明日病院へ行くわ」
「そうか。はっきりしたほうがいいよ。どこか体が悪いのかも。あるいは精神的なものかも」
「うん。もう寝ましょう。」キナーは睡眠剤を飲んだ。
ショーンも飲んだ。
しばらくして薬が効いて、二人は眠りに落ちた。
寝言でショーンは鬼のやつと言った。鬼のせいでキナーと仲良くできなかったと思っているのか。
夢の中ショーンは紫の竜を見た。自分も竜だった。紫の竜は大きく天界に連れて行った。
そして、天界には泉がありそこでショーンは水浴びをした。
すると女神があらわれこう言った。
(アンドロメダの戦士よ。あなたは選ばれし者。聖水で浄化しなさい。また明日、羽ばたけますように)
(女神様。私は間違いをおかしている。)
(間違いはあるわ。あなたもまだ生きているということは未熟者。しょうがないのよ)
ショーンは泉で泣いた。女神はやさしく天使の輪をショーンの首にかけた。
紫の竜はショーンを包み込むと水色に光、天界が閃光した。
気づくと4日目のAM7:24だった。