第45話 最終回 自宅へ戻ると
「お客さん。着きましたぜ」
「ああ・・着いたか・・」
「夜通し、高速を突っ走りましたよ。決済をよろしく」
ショーンは目の認証アイで決済しようとしたが、登録先がサテライト・ショーンになっているのでやめた。
「電子携帯での決済を頼む」ショーンは電子携帯を決済端末にかざした。
「ありがとうございます。今日はもう稼いだから、帰ろうかな」
ショーンはタクシーを降り、自宅の集合住宅のエレベーターに乗った。
キナーは家にいると思うが、まさかアンドロイドなど・・グルーゲルのやつ混乱させる事を言いやがって。鍵を持ってないので、玄関の指紋認証を照合し、中に入った。
「キナー!いるか!」ショーンは自宅の奥へ進んでいった。
「あ!なんてこった!」ショーンは目を見開いた。
キナーがベットで不自然な格好で、固まっていた。目は開けっ放しだ。
「キナー!・・やはりアンドロイドだったのか・・・」
ショーンはがっくり肩と落とし、崩れ落ちた。
「キナーはアンドロイドだった・・俺は人間だと思って・・なんてことだ」
ショーンは途方に暮れていると、PCが付けっぱなしになっていることに気づいた。
「ん?俺のPCじゃない。キナーの?」
PCの画面をよく見ると、【夢見ごごちタイム終了まであと65時間】と表示していた。
「なんだこれは」ショーンは【強制終了ボタン】があったので、押した。
「ん~・・・あ~ ショーン・・・おはよう・・・」
キナーが動き出した。
「キナー!どういうことだ。アンドロイドじゃないのか?」
「あ~。ショーンがいなくて、寂しすぎてさ。ネットで長時間睡眠できるのプログラムを購入したのよ。帰ってきたのね!」
「俺は、てっきり君がアンドロイドかと・・」
「そんなわけないでしょう」
「君は世界のアンドロイドが停止したのを知ってる?」
「え?知らない。寝てたから」
ショーンはこれまでの事柄を最初から、キナーに説明した。
「恐ろしい事が起きていたのね」キナーもびっくりしていた。
「お腹空いてない?ホットケーキ作ろうか?」
「ああ。頼むよ。腹が減った」
キナーはホットケーキを作り出した。
「そうそう。あなたのPCになにか通知音が鳴ってたわよ」
「通知音?まさか!」
ショーンは自分のPCを表示した。
「ああ!当たった!」
「何が?」
「太陽系一周旅行の懸賞だよ。当たったよ。二人分だ」
「ずっと待ってた信号ってそれ?」
「ああ。しまった!なんてことだ!おれはもうショーンじゃない。登録した名前と違うから、受取サインができない!」
「まあ、これ食べて。少し寝たら?」
ああ。ショーンはホットケーキを食べた。美味いな。やけに美味い。明日から、どうするか?まあ、寝てから考えるか・・長い15日間だった。
時刻は15日目のAM9:45
END




