第36話 アンドロメダの仲間
イラックとショーンは病棟の出口の近くに来た。
ホバーカーが2台止めてあった。
「それぞれこれに乗るんだ」イラックが言った。
ショーンとイラックはそれぞれホバーカーにまたがった。
ホバーカーには運転手もすでに乗っていて、すぐ発進した。
比較的に静かな作動音だった。
ホバーカーは上昇を続け、かなりの高さで飛行した。
追っ手は来ず、イラックとショーンは無事に軍の精神病棟を脱出した。
ホバーカーは2時間くらい飛行し、追跡はされてない事を確認し、あるビルの屋上に着陸した。
時刻は14日目の17:36
すみやかにイラック達はビルに入った。
ビルの中に大きな部屋があり、大勢の人がいた。
皆はショーンを歓迎し、溢れんばかりの笑顔と拍手でショーンに駆け寄った。
「ショーン。はじめまして。イーランと申します」
以前テレパシーで話した、イギリスの方か。
「イーラン。この間はテレパシーで指示をありがとう」ショーンが言った。
イーランは茶色の髪が綺麗なほっそりした女性だった。黒いメガネを掛けている。
「ここにいる仲間は全部でショーンを合わせて、25人います。全員アンドロメダ星人の魂を持っています」
どうりで。ここの人たちはどこか懐かしく、初対面なのにとても居心地の良い。リラックスできる。
「早速だが、話し始めなければならない」イラックが言った。
「その前に。ショーンに説明が必要かと」イーランが言った。
「そうだ。聞きたいことがたくさんある。なぜ、病棟で突然テレパシーが使えなくなった?」
「それはグルーゲル大佐が病棟にいる事が分かったから。彼はテレパシーを傍受できる能力がある。だから私達はあえてテレパシーを遮断したのよ。ごめんなさい」
「LyLy・・・脳内PCが使えなくなったのは?」
「それはエネキス博士の方が詳しいわ」
70代くらいの髪はほとんどない老人が笑顔で話した。
「やあ。ショーン。はじめまして。エネキスと言います。脳内PCを開発したのが私です」
「おお。あなたが!教えて下さい。脳内PCのことを」
「脳内PCは「生きたコンピューター」なのです。オルガノイドを利用した独自のバイオコンピューターで、埋め込み型のコンピューターもあるが、あれより電力を消費しない。だが、少しは電力を必要とする。職員にサイボーグの電池パックを取られたことより、あなたの脳内PCは電力不足で起動できなくなったのでしょう」
「では、今は起動できる?」
「やってみてください。起動できるでしょう」




