第32話 脳の検査
「そんな物は搭載していない」ショーンは答えた。
Dr.ハリーは、
「しかしね、軍も君の行動をずっと監視していたのだよ。改造した電磁車を走行するなどをね。君はエリア51の内部機密にアクセスしたね。しかし、これはパソコンからではない。IPアドレスが不自然なんだ。普通のデータではないと言うことだ。私は医者だから、詳しくは分からないが君はアメリカ国防情報システム局
にハッキングを成功したのだよ」
「仲間が・・仲間とこの事は口外しないように決めたんだ。まだ話せないんだ」
「そうか・・ショーン。ゆっくりで良い。あと、検査をいろいろしたい。 MRIを受けてほしい」
「分かった」ショーンは答えた。
ショーンは看護師に付き添われ、エレベーターで地下に移動した。
MRI室に着くと、義肢装具士が二人来て左腕のサイボーグを取り外した。サイボーグの腕は電池パックがすでに取り外されていた。どうりで重く感じたわけだ。
検査着に着替えるよう案内された。 MRI装置のある部屋に入り、専用ベッドに横になった。
撮影部位に「コイル」と呼ばれる機器を装着(信号を受信するアンテナのようなもの)した。
工事現場のような大きな音が鳴った。動くと画像がブレるため、じっとしているように言われた。
検査は40分位かかった。
いきなりサイボーグを外すと神経に良くないそうで、義肢装具士がまたサイボーグを左腕に装着した。
しかし、動力の電池パックは付けてくれなかった。鉄の塊のサイボーグは重かった。
また、病衣に着替えた。
すぐさま、脳波検査だ。
この検査では、頭皮に電極を取り付けて、脳の神経細胞が発する微弱な電気信号を記録するそうだ。
頭に20〜24個ほどの電極をペーストで装着した。
ベッドに寝かされ、1時間ほど検査に時間がかかった。
全て終わり、看護師と一緒に保護室に戻った。
さすがに疲れて、ベッドで横になった。コーヒーが飲みたいな・・・
検査結果をDr.ハリーとグルーゲル大佐が見ていた。
「グルーゲル大佐。脳にコンピューターチップは埋め込まれてないようです」
「確かなのか?何もない?」グルーゲルは怪訝そうに言った。
「ただ、脳は右半球が大きい。つまり右脳の働きが強いという検査結果があります。詳しくは脳外科医を呼ばないと難しい。私は精神科医なので」
「脳外科医を呼ぼう。コンピューターチップは埋め込まれてないのか?確か、以前カール伍長がそんな事を言っていたな。ますます興味が湧いてきたぞ。Dr.ハリー。絶対に秘密を暴くのだ。絶対だぞ」
 




