第29話 救急搬送されて・・
取り調べはそれからずっと続いた。担当の刑事は代わる代わる交代するからいいかも知れないが、こっちは同じ事を何度も聞かれ精神的に参っていた。
時刻は7日目の7:35
「おい。良かったな。医療スタッフが来たぞ」刑事が言った。
昔、お世話になったカウンセラーのミネダともう一人若い男性がやってきた。
「ショーン・・・大丈夫?」
ミネダはやさしく接してくれて、ショーンは弱った精神で涙が出そうになった。
「先生。俺は・・悪気はないんだ。本当にテレパシー能力があって、やらればならなかった・・」
「私もずっと警察と軍に交渉してたのよ。今やっと、医療を受けれる事が決まったわ。ゆっくり休むのよ。ショーン。私にはここまでしかできなかったけど、頑張るのよ」
金髪でほっそりしたミネダは、交渉で疲れた様子だった。
「俺はどこへ・・・?」
「詳しくは私も分からないけど、どこかの病院よ」
もう一人の男性は記録用紙にずっと記入している。
サイレンが聞こえてきた。救急車が来たようだ。
「応援しているから!ショーン」ミネダが目を赤くして言った。
俺は数人の救急隊員に抱えられ、取調室を出た。
取調室を出る時、刑事の一人が、
「最後にこいつの腹にパンチをおみまいしたかったな」と笑いながら言った。
救急車に載せられ、手錠を刑事が取り外した。
そして、ストレッチャーに寝かされ、ベルトでいくつか体を固定させられた。
もう少しも動く事ができない。かなり締め付けが強く痛かった。
救急車はサイレンを鳴らし、走行した。
高速電磁道路に乗り、タイヤを格納した。
時刻は7日目の13:11
救急車は高速電磁道路を降り、タイヤ走行で緑の多い箇所を走っていた。
救急車には救急隊員の他に、刑事も2人同乗していた。
ゲートが開く音がして、救急車はサイレンを止め停車した。
山の上か、辺り一面自然がいっぱいだった。
救急車からストレッチャーごと、建物に入れられた。
救急車隊員は医療スタッフとなにやら会話をし、去って行った。
「こんなにきつく縛らなくても良いのに」と年配の白衣を着た男性が言った。
俺は縛られているベルトを外してもらい、また後手に拘束された。
しばらく歩かされ、3人くらいの白衣を着ている人たちの前の椅子に座らせられた。
「君は自分が何をしたか分かっているかね?」
中央の男が訪ねてくるのだが、俺は寝不足と緊張状態で不安定になっていて、その男がアンドロイドに見えてきてしまった。確信はないのだが、そう見えたのだ。
俺は立ち上がり、興奮して男に怒鳴ってしまった。これがまずかった。
俺は刑事に取り押さえられ、病院のスタッフは鎮静剤を俺に打った。
しだいに俺は意識がなくなっていった。




