第17話 車との同期
ショーンはエリア51へ車を走らせた。車の中はマイケル・ジャクソンの音楽が軽快に奏でている。
「ドラミ。この曲はなんだ?」
[ビリー・ジーンね]
ほほう。いいね。さてと、ドラミちゃん。エリア51への詳細ルートを教えてくれないか。
[まず、ラスベガスから右回りに95号線で6号線を通り、375号線経由で行けるわ。その途中で地下ゴミ処理通路への道があるの。そこはたぶん軍の連中もうっかり忘れてる所だと思うわ。しばらく出入りがなく。ほったらかしみたい。行けると思う]
それはいいが、この車は衛星で監視中だと思うよ。ぜんぶ見てんだ。管理センターで。グルーゲル大佐がな。
[それはまずいわね。地下ゴミ処理通路に潜入する所を見られたら、意味がないわ]
この車にステルス機能をつけてもらったんだ。それで姿を消せると思う。ただ操作が分からないな。
[ショーン。この車と同期して良い?そうすればいろいろ遠隔で私が操作できるかも]
おお。いいぞ。やってくれ。
ドラミは電磁車と同期を始めた。ショーンはものすごくカフェインが欲しくなる。
「うう。やはり脳内PCは負担がすごいな。コーヒーを淹れよう」
ショーンは自動抽出機でイエメンコーヒーを抽出した。
一気に飲み干す。く~。いいぜ。イエメン。
[電磁車NO.586377 ID CODE 767646807 PIN CODE 34874983 ]
[同期完了]
[ショーン。同期出来たわ。この車の内部構造が分かった。ステルス機能あるわね。ONにするよ?]
「やってくれ」
車のディスプレイに[ステルス作動中]と表示した。
一方、地球防衛軍の管理センターでは。
「大佐。ショーンの車を見失いました。レーダーに映りません」
グルーゲル大佐は怒った。
「なんだと!ステルスか?どこかで改造したのか?よし。いいだろう。あの車には爆弾が設置してある。エリア51へ向かっているようだが、破壊してやる。ははは」
大佐は爆破スイッチを押した。
「どうだ。付近で爆発したような感知はないか?」
「ありません。爆発すれば、レーダーで感知できるはず」
「ばかな!爆弾を取り外したな」
kajiwaraショップでは隔離ゲージで爆弾が爆発した。
「取り除いて良かった。これはサービスだぞ。ショーン」
店主のメカニックkajiwaraが呟いた。




