IQ1のコネコちゃん、健気に生きる
IQ1のコネコちゃん、健気に生きる
うちには、IQ1億のネコちゃんとIQ1のコネコちゃんがいる…。
IQ1億のネコちゃんにちゅ〜るをあげていると、コネコちゃんは必死にちゅ〜るの反対側を舐める。
コネコちゃん、そこ、開いてないから、舐めても何も出てこない…(笑)
うちのリビングのローテーブルはガラス板だ。
コネコちゃんは、上に置いてあるお箸を取ろうと、ガラス板の下から手をチョイチョイする。
そして、ガラスに阻まれ、不思議そうな顔をする。
コネコちゃん、それ多分、一生取れない…(笑)
ネコちゃんは、そんなコネコちゃんを、
「解せぬ。」
という顔で見ている。
透明カップに入ったモンブランを食べていたら、美味しそうだと思ったらしい。コネコちゃんは、懸命に透明カップを舐め始めた。
いや、そこ、確かにね、透明だから中身見えてはいるけど、中身ね、触れないのよ…(笑)
一生食べれないやつよ…(笑)
ネコちゃんは、やはりそんなコネコちゃんを、
「解せぬ。」
という顔で見ている…。
劇的に美味しいものを食べると嬉しすぎて、粗相をする。
しかも、必ず夫の掛布団にする。
IQ1の子の感動の仕方である。
カリカリの食べ方が下手で、10回ハグハグしてやっと2~3粒食べれる。
しかし、なぜかその貴重なカリカリを口からポロポロこぼす。
床に落ちたカリカリは、即座にネコちゃんに回収される。
IQ1の子の隣に、掃除屋がいるかのようだ。
ネコちゃんにごはんを奪われそうになると、エアー猫パンチをする。
コネコちゃんは、決してネコちゃんをぶたない。ヨワヨワパンチのフリだけして見せる。
むろん、何の意味もないので、そのままごはんを奪われる。
IQ1の子は、自衛が困難である。
IQ1億のネコちゃんは、自分でおやつの引き出しを開けることが出来る。
漢字の「一」のように取っ手がついているのだが、そこに前足でぶら下がり、後ろ足で下段をキックし、反動をつけて引き出しを開ける…。
あとはジャンプして引き出しの中身を漁る。
コネコちゃんもおやつが欲しいが、そんな高くまでジャンプできないので、ネコちゃんに向けて、
「ピェェェッ!(超高音)」
と泣く。
IQ1の子のおねだりの仕方である。
それを見たネコちゃんは、
「解せぬ。」
という顔で引き出しの中の物色に戻る。
遊んでほしい時は、
「ピェェェッ!(超高音)」
「プルヤァッ!(超高音)」
などと泣く。
IQ1の子は、泣き方が独特である。
なんでもない時に、
「ピェェェッ!(超高音)」
「プルヤァッ!(超高音)」
などと泣き叫ぶ。
何事かと思うが、本当に何事も無い時に泣き叫ぶ。
IQ1である。
ねこじゃらしの本体を破壊し、棒だけになってもまだ遊ぶ。
むしろ、棒を喜ぶ。
教授が講義の時に使う棒みたいになっても、棒の先端を追いかけて走り回る。
しかし、IQ1なので、見当違いの方向に走っていく。
時には滑り、時には転ぶ。
遊んでほしい時、おもちゃを口にくわえて持ってくる。
次第におもちゃを引きずること自体が楽しくなるらしく、そのまま彼方へ消えていく。
夫のことを愛している。
夫が帰宅する際は、玄関へすっ飛んでいく。
IQ1のコネコちゃん、毎日健気に生きている。