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56 一家団欒

いつも読んでくださってありがとうございます。

このお話は、”大好きな作品にファンレターを書いたのに感想を受け付けていませんって出てきちゃうどうしたら良いんだろうって思っていたらとんでもない事になっちゃった。”

https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/2032382/

に登場する王妃侍女アイシャのお話です。本編の舞台裏をお楽しみください。

 バールトン侯爵家の食堂に久しぶりに家族が揃いました。

ずっと寝ていた父が起き上がり、車椅子も使わずに自分の足で食堂に来ていました。そして、そのテーブルには母と兄二人、アイシャとレオナルドがつきました。

 先ほどまで死の淵に居たお父様は早朝にアイシャとともに訪れたカオリ殿下の力によって奇跡的な回復をしたのでした。

 多少でも元気になってくれればと言う思いはあった物の、アイシャはカオリ殿下に両親の事を頼む事はして来ませんでした。


 昨夜結婚式の事で盛り上がるカオリ殿下に、「両親が病の淵に倒れてから、もう何年にもなりますので、旅立たれる前に、結婚の報告が出来て良かったです。」と言ったところカオリ殿下は、「是非ご両親にお会いさせてください」と言ってくださり、仕事が始まる前に私と一緒に実家を訪問してくださったのです。


一昨日、王家から登城するように命じられた後すぐに、バールトン侯爵家に挨拶に行く旨を連絡をしておいたので、両親もアイシャが来ることを楽しみにしてくれていましたが、まさかの聖女様を連れて来るとは思っていなかったので、バールトン侯爵家は蜂の巣をつついたようになりそうでした。が、事態を察したカオリ殿下はアイシャにウィンクをすると出迎えた侍従長に「先代様のお加減が悪いと伺いました、聖なる祝福を送りましたらば、直ぐにお暇いたしますので、何もお構いなく」と言いつつ、アイシャに案内を頼み両親の寝室へ向かったのでした。


 カオリ殿下が、聖なる力を使われたのは、確かにほんの一瞬でした。アイシャに小声で「一気に治すとお体に負担が掛かるから、1週間位掛かるって、伝えておいてね」と言うと、部屋を出て行かれました。

そしてアイシャのおへその奥の方に、何か暖かい物を注ぎ込まれた気がしました。

慌ててアイシャが見送りに出ようとすると、「今は少しでも一緒に居てあげて、良かったら貴女も魔力を注いで上げて」と言ってくださって、メイドに案内されて玄関まで行かれてしまいました。

 カオリ殿下に魔力の事バレていたのかと、こんな所でちょっと赤くなってしまいました。

 今日もカオリ殿下は、スケジュールがぎっしりと詰まっているのです。両親へ聖なる力を使われた後は、直ぐに馬車に乗って次の訪問地へ向かわれてしまいました。アイシャは心の底から感謝するのでした。


 3分程すると症状の軽かった母は、背筋をしゃきっと伸ばし、肌艶も良い状態になっていました。ただ数年間寝たり起きたりだったので、体力はかなり少なくなっていました。

 そして、お父様は目を覚ましている者の、やはりかなり具合が悪かったこともあり10分後に、しわがれた声から普通の声に変りました。

アイシャは、そっとお父様のお腹の辺りに手を添えると、魔力を注いでみました。すると「ああ温かいよ、とても気持ちいい、お前まで聖女様になったのかな?」と父はにっこりと笑って、言いました。30分もすると自分から起き上がり、ベッドに腰かけて「自分の力で起き上がったのは久しぶりだな」と言うのでした。

 そこで、また父のお腹に手を当てて魔力を注ぎました。「こんなにして貰って、お前が倒れてしまわないかな?」と父が心配そうに聞いてきました。

「大丈夫よ、まだまだ何度も注いで上げるから、しっかり元気になってください」とアイシャは答えるのでした。

 1時間もしない内にベッドから起き上がり部屋の中を歩いて見せた父は、「ああ、歩けるって言うのは良いもんだな」と言いました。

メイドのみならず、兄も父の部屋にやって来て、自分の足で歩いている父を見て、涙を流すのでした。

「アイシャは、あの聖女様の専属侍女なんだよね」と母が聞いてきましたが、

「いいえ、今はカオリ殿下の大切なヤマダ商会の社長です、殿下の大切な仲間にして頂いています」

アイシャが、答えるとお昼近くになっていました。

「家族みんなで食事が出来るな」と父が言うので、兄は姉の嫁ぎ先に両親が回復した事を伝える手紙を出しました。

「お父様、気が早いですわ、今度私の結婚式に参加してください」とアイシャが言うと、両親は笑顔で答えてくれました。


夕方近くに、王城で部下への指示を出し終わったレオナルド様が、バールトン侯爵家にやって来ました。

レオナルド様を迎えた兄は、玄関先で早速どんな仕事をしているのか、など矢継ぎ早に聞いていました。

レオナルドも、気後れせずに答えていましたが、アイシャが、「お兄様、まだ到着したばかりです、玄関で問答などしないでください」と兄を黙らせて、応接室へ行こうとすると、食堂の方からやってきた両親が、「やあ、よく来たね、折角だから食堂で食べて行きなさい」と声を掛けてくれました。


その日は、いつもの病人食ではなく、身体に優しめの普通の食事が並びました。

 みんなで楽しく、過ごしたのでした。

いつも読んで頂きありがとうございます。

先週末に、左手首の骨折をしてしまい、キーボードを打っていると痛みが走る為に、なかなか執筆が進まず、更新が遅くなってしまいました。

執筆の速度は遅くると思いますが、これからも、よろしくお願いいたします。

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