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16 からくり屋敷です。

 翌朝、街の広場に総勢70名の騎士とアイシャ達が集まりました。

これから、街の地下通路へ入って、王宮の秘密の通路から城内へ進入をするのだそうです。 秘密の通路は侵入者を防ぐために、数々の仕掛けが施されているという事でした。騎士団が人垣を作って、中に入る所を見られないようにしている中、アイシャ達と騎士団の精鋭20人が地下通路に入りました。


 先頭は、ロイの部下でロイは3番目くらいの位置を進んでいました。先頭の騎士が壁のレンガに手をついてゆっくりと押し込むと、壁に穴が出来て通れるようになりました。思わず声をあげそうになりましたが、誰にも気づかれないように、全員が無言で穴に入っていきました。アイシャ達も声を出さずに穴の中に入りました。

全員が通り終わると最後の騎士が、上から垂れている鎖を引っ張ると穴は塞がって只の壁になりました。

こういう地下通路とかって、虫とか蝙蝠とかがいそうなものですが、この地下通路は整備が行き届いているのか、全く汚れがありません。

通路の先に水が流れていて、渡れないようになっていました。騎士の一人が弓で天井にある的を射るとガタンと音がして水路の水が止まりました。しかしまだ水路の前に鉄の柵があって前に進む事が出来ません。

今度は別の騎士がレンガを押し込むと、チャラチャラチャラと言う音がして、柵が天井に引き込まれて行きました。

これで水路だったところを通路として歩いて行けそうです。

そうして、歩いて行くと今度は螺旋階段が現れました。さっきから登ったり降りたりを繰り返して来たのもあって、高さの感覚も全然ありませんでした。


先頭の騎士が、「もうすぐ外に出ますよ」と言いました。

何かを確かめるように壁に手をついて歩いていた騎士がゆっくりと壁を押すと扉のように壁が動いて、通れるようになりました。

眩しい光が入って来て、騎士について外に出るとそこは城壁の上でした。

まるで雲海のように黒い霧状の物が、かつて街であったであろう建物を覆っているのが見えます。

道に出した看板や道に並べられた商品を置く台、今運んでいた途中であったろう木箱や商品らしきものなどを見ると、本当に一瞬にして人々が石や獣に変えられてしまった事を伺わせます。


「とても栄えていた街だったのですね」アイシャが呟くと騎士は、「はい、あの者がやって来て王女様を消してしまうまではとても栄えていました。」と言って悔しそうな表情をしていました。

「王女様はどこかへ連れ去られたのでしょうか?」アイシャが聞きましたが「私はその場にいませんでしたので、分かりません」と答えたのみでした。

ロイが「さぁそろそろ行くか」と言い、城壁の上を歩き始めました。

城壁の上は幅3m程の通路になっていて、有事の際には弓兵や投石機などを運んできて城を護るようになっていたのだそうですが、魔王は普通に接見にやって来たので、城内へ入れてしまったのだとか、そして王女と宰相、護衛数人になった時、一気に黒い霧に包まれてみんな石になったり獣になったりしたそうです。

なので、王女がどこに行ったのかは誰も知らないのだとか。


下に降りて街の中を進めば直ぐに城に入れたそうですが、城壁から建物の屋根に飛び乗り、あっちへ数件、今度はこっちへ数件と屋根の上を歩き続け2時間程歩くと、城に入る事が出来ました。

早朝に街を出たのに、もう夕方になっていました。

「陽が落ちると、連中が動き出しますので、お気を付けください」ロイが言いました。


アイシャは聖剣を握りしめました。クララも短刀を渡されたので4人とも武器を持ったことになります。

「この先が、謁見の間になります」謁見の間に入ると、魔物達が襲って来ました、騎士の皆さんが次々と倒して行きますが、魔法なのか火を吐いてくるものがいたり、何もないのに空が宙に浮いたりと、かなり大変な戦いになりました。

幸い弓を撃てる騎士さんがいたので、入り口付近から弓で射ってくれたおかげで、いつの間にか身体が勝手に宙に浮く事も無くなりました。

 そういえばアイシャやクララも物を持ち上げる能力が少しある事を思い出したのは、戦いもほぼ終わる頃でしたが、2階にいた敵を下に落とす位は手助けする事が出来ました。

2階から落ちても、全然へっちゃらなのは敵ながら凄いと思いましたが、落ちて直ぐに騎士に伐られていました。


そうして、全ての魔物を倒すと、突然部屋の真ん中に巨大な顔が現れました。

「人間か?、何百年もたったと思ったが、しぶとく生きていたか」そう言うと、口から火を吐いてきました、クララが水を作り出して巨大な顔に掛けると、火が消えて苦しそうな声を出しました。

今度は先ほどより少し小振りになりましたが、それでも3階吹き抜けの部屋の天井までありそうな魔王の全身が現れました、騎士たちを薙ぎ払うとみんな気絶したり、うめき声をあげて動けなくなりました。

あまりにも身体の大きさが違い過ぎました。

ロイさんが私達4人をかばうように前に出ていますが、恐らく魔王に踏まれたら5人とも一巻の終わりでしょう。

ミックが、「みんな僕の事忘れないでね」と言うとムカデの姿になって魔王の身体をよじ登って行きました、気が付いた魔王が叩き潰そうとしましたが、ミックの方が身のこなしが速く、あっという間に魔王の顔に到達しました。

ミックが魔王の口の中に入ると魔王が口を閉じて、苦しみ始めました。

うごぉぁあぁ、魔王がしゃがみ込んで口の中のミックを取り出そうとしていました。

いかにもよじ登って剣で突き刺してくださいとえる格好になっている魔王にアイシャがよじ登り心臓に聖剣を突き刺しました。

魔王の背中から光が漏れ出しました。アイシャは頑張って剣を引いて傷口を広げて行きます。徐々に漏れ出す光が強くなって行き遂に爆発しました。


気が付くとアイシャはベッドに寝かされていて、傍に王冠を被った美しい女性がいました。

ミックは人間の姿で、ボロボロに食いちぎられていたそうです。

その日のうちに、みんなで城内の墓地にミックの亡骸を埋葬しました。


いつも読んでくださってありがとうございます。

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