第八話 一時帰還と認識のずれ
お嬢が夏に帰ってきた。長期休暇が終わったらしい。
お嬢の話を聞くに友達ができたらしい。2人も。
お嬢はグラーリア家の長女であるためあまり声をかけてもらえないし声をかけても敬語が返ってきて距離を感じてしまうらしい。どうにかしてあげたいと感じるが何もできないのがもどかしい。
そんなことを考えてたのが顔に出たのかお嬢が声をかけてくる
「ブレスト?気にしなくていいのよ。私の問題だから。それより暫く訓練できてなかったからやらないかしら?腕が落ちてないか心配なのよ」
「お嬢が気にするなと言うならそうしやす、しかし学園では使う機会なかったんで?」
「学園は安全な場所よ?気配察知くらいはやってても気が付かれないけどエアステップとか威圧なんかは使う機会がないわ。あ、そうよ気配察知に関してだけどブレストの気配察知ってやっぱりおかしいの?」
「おかしい?」
「えぇ。先生に気配察知に関して聞いてみたのだけど誰がどこで何をしてるかまで分かるような人はいないって言ってたのよ。ありえないって」
「おかしなことを言う先生もいるものだな。俺はできるのに」
「まぁいいわ。今後は先生の言うことを信じすぎないようにすればいいだけだし。じゃあ訓練始めましょ」
「そうだな。今日は何をしとくか?」
「威圧やりたいわ。冒険者ギルドに行って手ごろな依頼受けましょ」
「よし、じゃあいくか」
お嬢に教えたことは多少腕がなまってはいたがそこそこできてたので良しとする