第一話 任命
「よし仕事はだいたい割り振り終わったな。とりあえず新人の執事以外は前回と同じ仕事のはずだし説明は省かせてもらうぞ。とりあえず料理人は昼飯の準備をしてくれ。」
そうやって仕切るのはグラーリア家当主バルモント・グラーリアである。
「今年は調教師のバルダが結婚を理由に辞めたからメイドの中でやりたい人がいるなら出てくれ。いないなら他の仕事を受け持ってる奴でも構わん。...よしじゃあ君に任せたよ。」
個別に仕事を割り振っている。
「今年も物を作る担当者が一人もいないがなくても大丈夫だろう。後は護衛の仕事くらいか?ダスト、ラスティ、ヨスターは俺の護衛だ、交代制でも何でもいいから一人は常に俺の近くにいるようにしろ。」
家では一人称が俺である当主は割と親しみやすくて助かる。ただ俺の名前が今呼ばれなかったのはなんでだ?
「俺の妻のフラーリアの護衛はリサ、クルミに任せる。護衛方法はフラーリアの指示に従ってくれ。執事はその方針を聞いてダメそうなら俺に報告してくれ。」
後は館の護衛とお嬢の護衛しかない。
「次に俺の娘のリリーシアの護衛だが、フラム、レライア、ブレストに任せる。」
なるほど俺はお嬢の護衛か...
「ってちょっと待ってくだせぇ旦那!」
「どうしたブレスト?不満か?」
「不満も何も俺は男ですし何よりこの見た目だしこの口調だ!お嬢の護衛には向いてない!」
「ははは。なんだそのことか。大丈夫だろ。お前優しいし。それに一人くらい男手がいないと不安だからな。まぁ、安心しろ基本的な世話はメイドの仕事だ。」
「だけどよ....」
「お前が嫌なら変えるが俺はお前に任せたいと思ってるぞ?」
「.....やります」
「それでいい。どうしても合わなければ後で変えてやる」
なんでこんなことに...