表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魂識士の英雄譚~勇者はどこにいる?  作者: dainasoa
第一章 旅立ち 少年は夢を抱く
11/37

辺境伯邸にて その3 魂識士とは

プロローグ章がもう少し続きます

「さ、話がそれたな。話に戻ろうか」

「何を話されるんです?」

「サラサさん。この世界に起きていること、我々の大義を話すよ。よし、マルファス、まずはそなたから頼む。それから事前に話をした通り、礼儀とか関係なしに質問などはしてくれて構わない」

「はい。説明いたします。とはいえ、どこから話をしましょうか・・・」


喋るのが上手なマルファスさんでも迷うことがあるみたい。


「まず、魂識士についてだな」

「今更ですか?」

「いや、多分知らないだろうから、聞いてくれ。私を含めて、現存する魂識士は3名。3人で世界中を旅しながら、各地で魂の鑑定儀式を行っている。なぜ、こんなことをしているのか、わかるかな?」

「そりゃあ、各国の国王からそう仰せつかっているからなのでは。なぁ、バトス?」

「ジャッジ、そりゃそうだが、それは手段であって、目的じゃない。確か、各国が勇者を探しつつ、黒い魂を持つ極悪人になりそうな人材を事前に見つけるため、ではなかったでしょうか」

「ジャッジさん、バトスさん。両方、正解だ、だがな、それだけではないのだ」


何を当たり前の話を。

とマルファスさんは言う。


「というと?他に目的があるんですね」


バレッタが先を促す。輝度☆3魔法職の彼女はかなり賢い部類だ。

勿論、知恵の指輪のおかげで皆賢くはなっているんだけど。 


「流石だな、バレッタ嬢。勇者や、その仲間が全力で戦うためには、過去に使われた伝説の武防具に力を借りる必要があるんだ。だけど、伝説の武器は安易に使われないように、色々な形、普通の武器などの姿をしているんだ。逆に本物そっくりの偽物も多数あるしな。本物を探すのも我々の仕事なのだよ」

「な、なるほど。確かに物の魂が見れるならそれも出来るんですね」

「そうだ、だが私を含め、現存の3人の魂識士には、見つけることは出来ても、力を借りるとかまでは出来ないのだよ」


マルファスさんは探せるけど使えないという。

これはどうしたことか?とカレンも身を乗り出し質問をしだす。


「は、話が見えないです。では、なぜ、魂鑑定の儀式を行っているのです?」

「探しものがもう一つあるからだ。我々は、最高輝度の魂識士を探しているんだ」

「ん?勇者や、武具を探していて、さらに魂識士を探しているんですか、魂識士なら3人いるんでしょ」

「アッシュ君。正解だ。だけど、魂識士は他の型と違い、輝度によって全く違う性能なんだよ。また、魂識士は唯一輝度を上げることが出来ないんだ。要するに、私達現存する3人の魂識士では、目的を果たせないわけだ」

「そうなんですか、知らなかったです」

「魂識士にしか伝わらない情報だからな。まとめると・・・こんな感じだ」


マルファスさんは紙に何かを書き始めた。それを見ると


☆1 色、形を見ることができる

☆2 ステータス、その他情報を見れる

☆3 輝度を見れる

☆4 魂に干渉できる

☆5 魂に共鳴出来る

   (一時的な魂の型、色のコピー)

   魂を自在に操れる

   魂の封印、封印解除が出来る

   武器や道具の魂を対象に付与出来る

   動きを把握、縛り、加速出来る

   魂を指揮下に置くことが出来る


と書いてある。難しいな。

でも知恵の指輪のおかげか、何となくはわかる。


「魂識士を名乗れるのは輝度☆3以上で、かつ、透明、無型の魂を持つもののことなんだ」

「輝度がわからないと魂識士になれないからですか」

「そうだ。型と色は自分の物に対象の魂を映して把握し、輝度は自分のと比較するんだよ。それが輝度☆2以下は出来ない。だから輝度☆2以下は透明、無型でも魂識士とは言わない」

「なるほど、魂鑑定はそうやっていたのか・・・」


「マルファスさんは輝度☆いくつなの?」

「輝度☆4だよ。先程、リオン嬢にやってみせたのは魂への干渉だ。干渉では、一時的な輝度の付与、剥奪を行うことです。付与といっても、元に戻すだけだがな」

「い、一時的!?ねぇ、なら私は輝度☆4にいつ戻るの?ねぇ!」

「私が決める。最長で私が生きている限りずっとだな。まともにハートの魂を操れる清らかな心を持ったときに返そう」


一時的に血気盛んになったリオンだが、

すぐに輝度☆4に戻れないことを知ると、

青ざめて大人しくなった。


「つまり、私は魂識士の輝度☆4だ。伝説の武具に眠る魂を起こすには、輝度☆5の魂識士が必要になのだよ」

「じゃあ、他の魂識士の方も、☆4以下で足りないという話ですか」

「そうだ。我々は輝度☆5を持ち、透明、無型の魂を探していた。ちなみにその人材を我々は【魂指揮士(コンダクター)】と呼んでいる」

「探していた?なぜ、過去形なんです?」


お父さんが聞いた質問にマルファスさんは答えず、

静かに僕を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ