決断
【大和side】
想い悩み、早2ヶ月が過ぎようとしていた。
僕とタカ兄さんは、未だに連絡を取り合っている。
ちょっとした相談や、他愛のない話。
それらを、ほんの一瞬でも共有できることが嬉しくて、しかたがなかった。「ぬるま湯の中にいるようだ」と言われてしまえばそれまでだけど、僕にはこれでいい。気持ちを伝えることも無く、穏やかなまま、過ごせられればいいと思っていた。今までは。
じゃあ、……今では?
僕の胸の内に秘めていた想いは、すっかり大きくなってしまっていた。「伝えたい、気持ちを知ってほしい」と考えるようになっていた。
きっと叶うことはないのだろう。気持ち悪いとか、迷惑だとか思われても文句は言えない。しかたないことなんだ。
好きになってしまったんだから。
連絡を取り合う中で、好きな人がいることをタカ兄さんには話してある。相手が本人だから、勿論名前は伏せているけどね。
…狡いことをしてるとは、自分でも思う。でも、僕にはこうすることしか出来なかった。少しでも「僕」を見てほしくて。意識してほしくて。そうやってヘタクソなアピールを続けてきた。真っ直ぐに気持ちを伝えられない僕は、会話の中に、それとなく匂わせることを選んだんだ。
それも限界に近い。
タカ兄さんに対する大きすぎる想いは、もはや直接言わなければ、収まらないほどになっている。黙って、ひた隠すにはあまりにも強すぎる感情。
決めなければ。
引くか進むかを。
LINEを起動して、メッセージを打ち込んだ。
『タカ兄さん、話があるんだ』
これが僕の決断。結果なんかどうでもいい。
ただの自己満足。
……あぁ、…心臓が痛い(。ω゜)