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作者: 秋元りゅういち

ここは、とある薬品の研究所である。そこに科学者とその助手がいた。

「A博士、ついにこの薬が出来ましたね。」そう言って、A博士の助手Sが嬉しそうにビーカーの中の怪しげな紫色をした液体を見つめる。

「そうだな。この薬さえ飲めば、誰だって五か月は魅力的な異性に変われる。」そう言いながら博士もビーカーの中の紫色をした液体をうっとりと見つめていた。

「でも博士、人体実験がまだなので誰で実験しましょう?」助手は目を輝かせながら聞いてきた。

「では、私自身が飲むとしよう。」そう言い博士はビーカーの中にある液体を飲み干した。

「博士、どうです?何か変わったことはありますか?」そう助手は不安そうに語りかけてきた。

「いや、特にこれと言ったことは起こらないな。」そう言いながら、鏡を見る。

「まぁ、飲んですぐに効果が出ることはなかろう。それに効果が出るまで長くかかる。気長に待とうや。」そう言って博士は記録をつけ実験室から出て行った。

薬を飲んで1ヶ月目が終わろうとしていた時に鏡を見ると、目が大きくなり、唇も少し大きくなっている。

「やっと薬の効果が出てきたか。これは楽しみだぞ。」博士は満足減している。

2ヶ月目の中頃から胸が苦しくなってきた。服のサイズが今までと合わなくなった事で服の買い直しが必要なようだ。

「おや、いろいろと立派になってきまして。」助手が物珍し気に見てくる。

最近、周りの目が気持ちよくなってくる。

3ヶ月目、お尻が大きくなってきた。今まではいていたズボンが入らなくなっている。博士は服も買いなおした。

助手はただ、太っただけじゃないかと言ってきた。薬は失敗したような気がする。

4ヶ月目、3ヶ月目の時の尻の出っ張りを無くす為に軽度な運動を増やすようになっていた。そのおかげか、お腹の方が少しへこんできた。お尻は相変わらず大きいままだ。顔も、唇が少し大きくなっている。ただ、周りからの注目が増えた気がする。

5ヶ月目、とうとう薬が切れる時期だ。最後の月、思いっきり楽しもうと、博士は服装を今どきのおしゃれなものに変え、化粧もしっかりするようにした。周りからも、評価はかなりいい。

薬を飲んで効果が切れるであろう、時期になったが、一向にもとに戻らない。

「なぜ、効果が切れる時期になっても切れないのだ。」そう言い、博士は焦っている。

助手も、少し勿体無さそうに切れない事を心配している。確かに、胸は少し縮んだが、それ以外が全く変わらないのだ。

そのまま、経過を見るため、その格好を続けていくしかない、そう博士はしょんぼりしていた。

「博士は、薬の効果が切れている事に気付いていない。薬の効果は既に切れている。胸が縮んだのは薬が切れたせいだ。だけど、それ以外がそのままなのは、博士自身が元から魅力的な女性で、今までそれを意識していなかったし、磨いていこうとしなかったから。薬がひょんなきっかけになって、博士自身が変わった。」そう助手は言いながら、紫色の液体のレシピを「魅力的な異性に変われる薬」から「魅力的に変われる薬」に書き直した。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 素直な文体ですらすら読めた。 [気になる点] 三月目とか四月目とかの個所があったけど、あれは三カ月とか四カ月と書くべき。 [一言] 博士が実は女性だったというオチは意外で、いっぱいくわされ…
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