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労働哀歌  作者: 錫 蒔隆
10/22

有名ハンバーガーチェーン仕分け作業 時給900円

 8時30分から13時。家具倉庫の夜勤明けに入る。つまり、日曜日の朝。帰宅はしない。そんな時間はないし、帰ってしまったらもう出たくはない。家具倉庫からおよそ10キロほど、家からは遠ざかる。会社をとおりすぎる。コンビニで朝飯を買い、食いながら移動。冷蔵倉庫。2時間ばかり、現地の駐車場で眠る。車のなかで寝るのは慣れている。

 起きる。倉庫のなかに入る。手前の冷蔵室。夏だというのに涼しい。季節感がおかしい。防寒着を着る。奥は冷凍室。そこはまるで、行ったことのない北極。夏だというのに、寒冷が痛い。床に霜が落ちて、つるつると滑る。

 露店のようにならべられた商品を、ピッキングリストを見ながら商品を取ってカートに載せてゆく。チャイナ・チャイナ・チャイナ。異物混入騒ぎが起きて、完全に凋落するまえの話だ。冷凍室に入るときがつらい。早く商品を見つけて早く冷凍室から出ないと、命に関わる。冷凍室から冷蔵室に出るたびに、温度差で眼鏡が曇る。いちいち鬱陶しい。

 仕事はあっという間、11時ごろには終了する。それで13時までの賃金はもらえる。だから、おいしい仕事ではあった。外にでる。本来の暑さをすがすがしく感じながら、家路に就く。近所の本屋に寄ってから帰宅し、あとは眠るだけ。翌日から仕事。その週の休みは、日曜の午後だけ。

 よくそんな生活をしていたといまにして思うが、その当時はそれを苦と感じてないほどに金銭の奴隷であった。いま休日に働けと言われても、とてもとても堪えられそうにない。


 夏に冬 摂理に背く 奴僕かな 冬は冬とて あな厳しけれ



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