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新たな教師と発狂系校長

第七話です。

 魔法には大きく分けて二つの種類がある。


 魔力をまとった言葉によって、その言葉通りの現象を起こす詠唱魔法。


 魔力をまとった文字によって、決められた効果を起こす記号魔法。


 また、詠唱魔法には魔力を通しやすい物質が埋め込まれた杖が必要である。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ドラゴニュートの男――ドラン・ヴァネルはロリコンである。


 といっても、別に犯罪はやっていない。


 健全な変態紳士である。


「で!なんで貴様がこの町にいるんじゃ!」


 シモーネの言葉にドランは上から目線で言った。


「まさかまだ伝えられてないのか?」


 ――やれやれ、これだから老いぼれは。という目をしている。


 そして、シモーネにとって最悪の事をドランは言った。


「我は明日から貴様の学校で働くことになった。ほら、喜べ」


 シモーネはドランの言っている意味が一瞬分からなかった。


「……は?」


 認めたくない。聞きたくない。と思いながらもシモーネはもう一度聞いた。


「あの……もう一回言ってくんない?」


 ドランは煩わし気に言った。


「だから、我は貴様の学校の教師になったのだ!魔法科だ。前は貴様がやっていたそうだが、今度から我が教えることになった」


「はぁぁぁぁぁ!?何言ってんの解雇じゃ解雇!てめぇなんて会った瞬間光の速さで解雇じゃボケェ!」


「そんなこと言っても無駄だ!これはもう教育委員会ですでに決定している。よかったな、校長の仕事に専念できて、さらに私のような優秀な人材を雇用できるのだぞ」


「どこが優秀じゃこのロリコンが!」


「なんだとエロ爺!」


 第二ラウンドが開始されると思われる中、二人の肩をたたく者がいた。


「「ああん、なんじゃワレェ!!!」」


「警備隊です。あなた達を連行します」


 二人は冷静になって周りを見渡した。


 割れたガラス、ボロボロの家、穴だらけの地面……


「「……すいませんでした!」」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「んんぅ、あれ寝てた?」

 

 魔法の効果が切れた千優はのそりと起き上がった。


 窓からは大きな満月が見える。


 ――この世界でも月があるんだ……


 そんなことを考えていた千優は、近くでシモーネが項垂れて椅子に座っている事に気づいた。


 とりあえず千優は声をかけた。


「あの~、なにやってるんですか?」


 シモーネは今にも倒れそうなほどかすれた声で言った。


「ドランブッコロスゼッタイブッコロスアシタハチマツリパーティージャヒャッッハァァァァ!!!」


 ……とにかく触れてはいけないと思った千優は、二度寝することにしたのだった。


 

次回からやっと学校に行きます。

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