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第7話「ノイリと一緒にいつもの日々を」

「それじゃあ作戦会議といきますかっ!!」

いつものように元気よく場を取り仕切る遊理香。

「作戦目標はノイリの防衛…でいいんだよね淳一?」

「あぁ…多分とても危険な作戦になると思う。初めての戦闘、敵も強大…だけどここで勝てなくて、いつ勝てる。俺達の底力見せてやろうぜっ!!」

人一倍気合いの入っている淳一。

いつもは冷静に物事を考える淳一もこの時だけは違った。

「でも、戦力が心許ないよね…」

しかし、そんな淳一の熱血モードを空回りさせるかのように歩音が横槍を入れる。

「我々には戦闘経験もなければ戦術もない」

「武器も支給されてるショボイのしかないしね」

「…詰んだ?」

歩音に続き、彩奏、遊理香、さよが順に追い撃ちをかける。

辛いことだがこれが現実。

淳一たちは満足にノイリを守る術を持っていなかった。

「と、そこに唯依さんの登場だっ!!」

突然扉を勢いよく開け放ち淳一たちの元へと唯依が現れた。

「話は聞かせてもらったよ。そういうことなら私に任せなさいっ!」

「任せろって何か案があるんですかっ!!」

藁にもすがる思いで唯依に詰め寄る淳一。

「取り合えずみんなついて来て」

唯依に促されるまま淳一たちは後に続いた。



「「「………」」」

その光景を見てだれもが何も言えないでいる。

唯依が赴任してくる時に乗ってきた一台のワゴン。

いたって普通なワゴンだったから誰も気にしていなかったが中身はすごかった。

「これってまだ計画段階の次世代兵器じゃないですかっ!!」

「詳しいね遊理香…そうよ、ここにあるのは全部本部からちょろまかしてきたものよっ!!」

自信満々に言い張る唯依にさすがにひく淳一たち。

「もっと喜んでくれてもいいと思うんだけどね……」

「喜ぶって…まさかっ!!」

「そのまさか、これでノイリを守りなっ!!」

ビシッと親指を上にたてながら言い切る唯依。

「ありがとうございますっ!!!」

淳一が勢いよく頭を下げる。

「頭上げて。そんな暇があったらさっさと準

備する」

こうして、淳一たちの反抗の準備は開始された。


「…どう歩音?着心地は」

「何と言うか…着てる感じが全くないですね」

「まぁ戦闘服なんてそんなもんよ」

RSリアクター搭載型戦闘服『レイツェルデュ・アーマー』を着た歩音が感想を漏らす。

「ちなみに機能としてはそのバイザーにリアルタイムで『気温』『精神状態』『風向き』とかが数値化されて表示されるわ」

「すごいですね…」

そう言うとバイザーのスイッチを入れながら実際に表示されていることを確認する。

「あぁ、あとそのスーツ自体に通信機器が埋め込まれているから」

「すごい…としか言えませんね」

「と、言ってもほとんどがヒュレイン側の技術なんだけどね」

失笑しながら話す唯依。

「それじゃあ少し射撃訓練してきます。初めて使うやつだし」

「うん、期待してるからね」

そう言うと歩音は唯依が持ってきていた兵器のうちの一つ狙撃銃『閃詠』片手に射撃場へと向かって行った。


「ここをこうしてぇっと……そいやっ」

唯依が次に向かったのはこの村一つの装甲車のところだった。

「どう遊理香?なんとかなりそう?」

「なんとかなりそうとかじゃなくてなんとかするんですよっ!!」

「なんとも頼もしい言葉だ」

夢にまで見ていたSR機関をいじくれるためか妙な熱が入っている遊理香。

意気揚々と鼻歌まじりに作業をしているが歌のテンポと手を動かす早さが合っていない。

「手慣れてるね…ホントに触るの初めてなの?」

「初めてですよ。でも…いつ何があるか分からなかったんで予習はしてたんだよっ!!」

依然テンション高く作業を進める遊理香、話しながらでも決して手を止めない。

「それにしても『SR機関』…半永久機関か」

SR機関―ヒュレインが宇宙で見つけたと言う鉱石が放つ粒子を効率的に使えるように構成する機関のこと。

もともと人類がヒュレインを受け入れた大きな理由、それがこれの存在だ。

これの到来によって当時抱えていたエネルギー問題の全てが解決されたのだ。

それも全てこの鉱石の発する粒子が衰えないからである。

「それにしてもなんでこっちにはちゃんとした名前がないんだろう?」

「さぁ?ヒュレインが隠してる…とか、名前なんて考えてない…とか、いろいろ憶測が飛び交っているらしいしね」

遊理香の疑問に唯依が答える。

「まぁなんにせよ遊理香にこの作戦の要がかかってるから頼んだわよ」

「作戦?考えてあるですか?教えてくださいよ」

この時ばかりはさすがの遊理香も手を止める。

「それは内緒…そんじゃ、頑張ってねぇ」

いじわるく笑いながら手を振る唯依は次のところへ向かっていった。


やはりいつかのようにさよは空を見ながらボーッとしていた。

「さよはいつも通りマイペースだね」

そんなさよの背中に唯依もいつかと同じように声をかける。

「敵は強いのかな」

「そうだね…多分とてつもなく強いよ。でもね…」

「ノイリのため…負けないです」

のんびりとしたいつもの口調だが、その言葉には強さが感じ取れた。

「今回の作戦…遊理香が用意した装甲車が鍵だからね」

「作戦…?」

「この前乗ったあの運転なら……う、うん」

乗った時のことを思い出したのか顔が青ざめる。

「よく分からないけど、がんばる」

「と、言うかちょっと気になったんだけどさ」

「ん?」

「なんであの子のためにここまで出来るの?…いまさらこんなこと聞くのも何だけど」

言ってしまえばよそ者のノイリのために何故ここまで出来るのか、それを確かめたかった。

「ノイリは友達だから」

さよの答えはとても簡単なものだった。

「そうだったね…あんたらは昔からそうだもんね」

友達のためになら何でもする。

それがさよ達の幼い頃から築き上げてきた関係だった。


「………」

唯依が教室に戻ると案の定、彩奏はそこにいた。

彩奏は一人静かに瞑想している最中だった。

「…姉上」

しかし、唯依が教室に入ってきたのに気づいたのか目を開ける。

「邪魔しちゃったかな?」

「…初めての戦闘なのだ」

唯依の質問には答えず一人語りはじめる彩奏。

「相手は今も人類と戦う強大なものだ…なのに何故だろう、とても落ち着いていられる」

「それはなんでかな?」

「多分…ノイリのため…いや、私たちのこれからのための戦いだからだろうか」

そこで唯依は思い返した。

今まで会ってきた他の連中らも初めての戦闘だというのにひどく落ち着いていたことを。

「これから否応なしに戦場へ送り込まれるだろう…だが、私たちはそれでもこの気持ちを忘れずに戦い続けたい…これは言わば私たちの序章なのだよ」

「へぇ…言うようになったじゃん彩奏ちゃん」

「どこかの無茶ばかりしてきた姉を見てきたからな」

そう言うと彩奏はクスッと笑った。



夕方、辺りが夕焼け色に染まり始めるなか淳一たちは教室に集まっていた。

「付近住民の避難も完了…準備は整ったな」

唯依が前で現在の状況説明をしている。

「ヒュレインも今の速さを保てば1時間後ぐらいに

は到着するだろう」

「敵戦力の情報はないんですか?」

「本部の偵察兵が調査したところ、旗艦陸船艇一機だけだそうだ」

「旗艦って…!?」

「あぁ…中には大型3機、中型12機、小型が28機というところか」

改めて敵の大きさを知り緊張を隠せないでいる。

「さてと、それじゃ淳一。ここで一つ挨拶行ってみようか」

しかし、そんな空気を壊すかのように淳一に話しを振る唯依。

淳一も戸惑ったが取り合えず、と前に立つ。

「えっと……もともと、俺の勝手なわがままな選択で始めることになったこの戦闘だ」

淳一は最初はしどろもどろした言い方だったが、話すに連れ勢いが増してきたのか隊の前で雄弁に語る隊長のようだった。

「これから先いろいろな戦いを経験するだろう…だけど、この一戦はこれから先どの戦いよりも重要で、負けられないものだ」


「だから、勝とう。そして、ノイリと一緒にいつもの日々を」


言い切ると淳一は肩を落とす。

さすがに慣れないことをしたせいか妙な疲れがドッと押し寄せる。

「私たちなら怖いものなしだよっ!!」

「淳一も様になったな」

「こっちも準備は完了。試運転も成功っ!!」

「やるぞぉ!」

「公一様に任せとけっ!!!」

「………」ウンウン

「さてと、それじゃあ隊長さんの話しもあったし、やりますか。」

唯依が再び場を取り仕切りはじめる。


「オペレーション・リベリオン開始っ!!」


こんばんわ林原甲機です。

なんだかんだ150人突破です。

本当にいつもありがとうございます!


さて、とうとう淳一たちの反撃の開始です。

ノイリのため…自分たちのために戦う淳一たちの未来は……


またもや雑談です。

少し更新遅れてしまいすいません。

ちょっと直しまくっていました。

それでも、あまりうまくかけていないような気がして…難しいですね。

まだまだこれから頑張っていきたいと思いますので応援お願いします!


そういえばそろそろ中間試験です……

皆さん試験の時期ですが頑張っていきましょう…そっちも…


それではまた次回。林原甲機でした。

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