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理想の異世界と違いすぎる。神様、俺のチート能力と美少女はどこですか?  作者: 夢盧(ゆめの)


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8/9

執念の結末:水面に映る「敗北者の顔」

「……関係ないんだよ、こんな顔」

森の泉。水面に映る自分の顔を、ユウキは泥を投げつけてかき消した。

白銀の髪も、タレ目の大きな瞳も、異世界の化け物にとっては「食いやすそうな肉」の目印でしかない。

五回負けた。五回死にかけた。

その事実は、どんなに見た目が可愛かろうが、レベルが0であればこの世界では「ゴミ」と同じだという現実を、ユウキの心に刻みつけていた。

「油断なんて期待しない。あいつらは、殺しに来る」

ユウキは震える指先で、自作の重層罠を確認した。

敵が「可愛い子供だから」と隙を見せることなど万に一つもない。むしろ、全力で噛み殺しに来る。

だからこそ、ユウキも「人間」であることを捨てて、獲物を確実に仕留める「罠」の一部になりきった。

非情な「間引き」

「ギチギチ……」

赤い瞳の群れが、一分の隙もなくユウキを囲む。

一斉に地を蹴る音。

ユウキは表情一つ変えず、ただ淡々と、計算し尽くしたタイミングで仕掛けを解放した。

ドッ……!!

崩落した地面の底、逃げ場のない粘着沼に、ウサギたちが次々と飲み込まれていく。

だが、奴らは止まらない。仲間の背を足場にして、地獄の底から這い上がろうとする。

その「ガチの生存本能」に対し、ユウキは容赦なく次の仕掛け――重い岩を吊り下げたバネ式の打突だとつ罠を放った。

メキッ、と嫌な音が森に響く。

悲鳴を上げる暇も与えず、重質量がウサギたちを沼の底へと叩き伏せる。

知恵比べですらない。これは、生き残るための「作業」だった。

勝利なき生存

「……はぁ、はぁ……っ」

すべてが終わった後、ユウキは膝をつき、激しく喘いだ。

おりに追い込んだウサギたちは、なおも檻の鉄線を食いちぎらんばかりに凶暴な目を向けてくる。

勝った。だが、心に爽快感など微塵もない。

「……レベル0のままかよ」

ステータス画面は変わらない。

これだけ命を削って、知恵を絞り尽くして、ようやく一晩を生き延びた。

ユウキは、白銀の髪を乱暴にかき上げ、再び泉の淵に座り込んだ。

「可愛い顔してても、死ぬときは一瞬。……次は、悪魔か」

水面に再び映り始めた自分の顔を、ユウキは今度は見つめなかった。

その瞳には、すでに次の「死地」を見据えた、冷たく硬い光が宿っていた。

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