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理想の異世界と違いすぎる。神様、俺のチート能力と美少女はどこですか?  作者: 夢盧(ゆめの)


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6/9

狂乱の牙:全然可愛くない「化け物ウサギ」

村に戻ったユウキを待っていたのは、賞賛の声ではなく「呆れ」だった。

ボロボロの腕を引きずり、スライムの核を証拠として差し出しても、村人たちは「たかがスライム一匹に、そこまで無様になるのか」と鼻で笑うだけだ。

信頼はまだ、地の底にある。

「……いいさ。お前らに認めてもらうためにやってるんじゃねぇ」

ユウキは師匠の小屋で、左腕に汚い包帯を巻きながら、スライムが落とした「石」を差し出した。

老猟師はそれを見るなり、顔をしかめた。

「小僧、運がいいんだか悪いんだか……。そいつは『魔素の塊』だ。これが森に落ちてるってことは、生態系が狂い始めてる。次は、もっと『食い気』の強い奴が来るぞ」

遭遇:森の死神

数日後。怪我も癒えぬまま、ユウキは森の異変を調査するために、さらに奥へと足を踏み入れた。

そこで見たのは、アニメでよく見る「可愛いウサギ」とは似ても似似つかない、化け物の群れだった。

体長は1メートルを超え、毛並みはどぶ鼠のように汚れ、何よりその口からは、鋭い乱杭歯らんぐいばが剥き出しになっている。

目は赤く血走り、鼻先からは絶えず腐肉の臭いが漂っていた。

「……嘘だろ。ウサギって、あんなに牙があるもんかよ」

ユウキが後退りした瞬間、ウサギの一匹が信じられない脚力で地を蹴った。

シュンッ、という風を切る音。

「が……っあ?!」

回避が間に合わない。

ユウキの頬を、ウサギの鋭い爪が切り裂いた。

速い。スライムのような鈍重さは微塵もない。

一匹が動けば、周囲に潜んでいた十数匹の「化け物ウサギ」が一斉に赤い目を光らせた。

武器なき逃走

「クソッ、囲まれた……!」

自作の槍を構えるが、相手のスピードに目が追いつかない。

一匹がユウキの肩に飛びつき、肉を食い破ろうと牙を立てる。

「痛ぇっ!! 離せ、この……っ!」

ユウキは無我夢中でウサギを振り払い、森の斜面を転がり落ちた。

背後からは、ウサギたちが立てる「ギチギチ」という不気味な歯ぎしりの音が、波のように押し寄せてくる。

レベル0。

スライム一匹を倒した程度で「強くなった」と錯覚していた自分を、異世界の牙が嘲笑っていた。

「……あいつら、絶対許さねぇ。……次は、逃げねぇぞ」

泥を啜りながら、ユウキは逃げ延びた先で、折れた自作の槍を握りしめた。

スピードに対抗するには、ただの筋トレじゃ足りない。

**「武器に工夫」**が必要だ。

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