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痛いけど、するの。純は卒業前に告白したい

作者: 乙巴じゅん

 叔父さんが『愛の何とか』をしているのを知ったのは小学生のころ。だけどさ、子供だからって入れてくれなかった。それから、叔父さんがしている愛の何とかを、ずっと思い続けていたんだからね。

 16歳になって初めて体験させてもらった。


 今日は久しぶりに会う。卒業式のお祝いもして欲しかった。ほかの人も外にいるけど、もう無視。

 案内されて座ると、おじさんが迎える。

「純ちゃん、きょうも来てくれたんだね」

 マスクごしだが、いつもの柔らかい声。

「卒業前にね」

「覚えているよ。ちゃんとプレゼントもあるから。それはあとから」

 途中でことばを止める。外で何か小声がしたからだ。

「さっさと、やってよ」

 ぶっきらぼうだが、私には照れもある。叔父さんは、小学校のころから憧れていたオトコ。こんな密室で、こういうことをするなんて夢みたい。


 叔父さんのことは前から知っている。お年玉やお菓子を貰ったし、遊びにも連れて行ってくれた。こうして会えるのが分かってから、ときどき会っている。


 叔父さんが、じゃあ始めるよ、と言うように肌を撫でる。

「やっぱり痛いでしょ」

「ちょっとはな。純ちゃんは痛がり屋だなー」

 彼は笑いながらも、準備しだす。これは、いつもやるじゃれあいみたいなもの。もう痛さも慣れてるけど、初心な振りしてるから、言わないの。


 実物をみると怯える。痛がりなのは治らない。

「うわっ。いよいよだー」

「きょうは止めて置こうか」

「いやっ。おじさんがするなら我慢できるよ」

 私のことばを待ってたように彼は真剣な顔になった。

 ぶすっ、突き刺さる。

「痛い!」

 何回しても、なれない私。

 でも我慢。いや、彼を好きだし、こうして会ってるだけで、しあわせなの。


 彼が抜き去る。

「ありがとう純ちゃん。おかげで助るよ」

 叔父さんから感謝されるのが、大人の女性と認められたようで嬉しい。

 だから、やめられないの。

 献血は。

 なにかありましたか。


     終


    

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