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お願い大作戦

(あれから一週間、私は今日のために準備を重ねてきた。勝敗は既に決まっているのよ!)


決戦の場は食堂。この場に居るのはお父様、お母様、お姉様、そして私を含めて四人。……私から仕掛ける!


「ねえ〜、お父様来月の誕生日のことでお願いがあるんです。」


前世で吐きそうになるほど嫌いだったあの女の甘ったるい話し方を真似る。八歳の可愛さを最大限に活かすため仕方がない。


お父様はにこにこしながら応えてくれる。


「何だい?言ってごらん。」


「プレゼントの件なんですけど、何でも良いっておっしゃいましたよね〜。」


「ああ、言ったね。可愛い娘の誕生日だもの。」


「わー!ありがとうございます!実は私、黒猫を飼いたいんです!」


少しの間、沈黙か流れる


「……黒猫ってぬいぐるみとかではなくて、本物かい?」


「もちろんです!」


お父様は難色を示す


「ウェステリアはまだ幼くて分からないかもしれないが、動物を飼うのはとっても大変なことなんだよ。それに、どんな病原菌を持っているかも分からなくて危険なんだ。」


なんとか止めようとしてるのが伝わってくるが、ここまでは私の想定通り。ここから数を味方につける!


「私、分かります!ねぇ、お姉様!私、お姉様と動物のお勉強いっぱいしましたもんね!動物の図鑑いっぱい読みました。」


「そうですね〜。最近のウェステリアちゃんはいっぱい頑張ってましたもんね〜。一緒にお勉強して私も楽しかったです〜。」


そう言いながらお姉様もこちらを見てにこにこしている


「ほら!お姉様もこう言っています!」


「うーん、だかな……黒猫というのわな…」


二人目の助っ人であるお母様がお父様の言葉を遮る。


「まあ、良いではありませんか。黒猫は不吉だと言われていますが、所詮世迷いごとです。それに、可愛い娘の誕生日なんですよ。」


「うっ……。」


「お願いします!お父様!」


(ここだ!)

さらに上目遣いでお父様を見つめる。お父様は少しの間うなり声をあげていたが


「はぁ、わかったよ。ただし、きちんとお世話するんだよ。」


「ありがとうございます!お父様!大好き!!」


(私の完全勝利ね。)

この一週間、お姉様とお母様を味方に付けるべくお姉様とは図鑑を一緒に読み、お母様には素直に説得する手助けをして欲しいと頼んだ。結果、大成功だった。まあ、見ての通りみんな私に甘いからこそ出来た作戦といえるだろう。末っ子で良かった。


さて、これで一枚目の未来を変えることはできそうね。あとは当日を迎えるだけ!




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