能面男、居候生活へ 10
医師はどこでもなる事もなった後も大変だな。此方の世界でも変わらないエリートであり苦労人だ。
「さ、入るぞ」
ゼノが扉を開ける。木製ではあるが、装飾もされて豪華な扉だ。床は…板張りの木の床か。
入り口を入ってすぐの所にある木製のカウンターにいた女性が、此方に気付いてチラッと見て、「どうされましたか?」と聞いてくる。患者…ではありそうか、ゼノはお爺ちゃんだし。ただ、片手で人を持ち上げる程に元気なので、恐らく患者さんとは程遠い存在だ。
「うむ、ここに先程運び込まれた女の子達がおったじゃろ?」
そうゼノが言うと、カウンターの女性の目付きが鋭くなった。警戒されてる?…そりゃそうか、いきなり名乗りもせず、お爺ちゃんと武装して見慣れない荷物持ったデカイのが現れて、女の子がいるだろ?だもんな。
「…どのようなご用件ですか?」
「ワシの名はゼノ、こっちはケンタロウ、ワシの孫じゃ」
孫なのは確定か…まぁいいんだけど。
「それで?」
「ここに運び込まれた女の子達に付いていたであろう、ローザの夫じゃ」
ゼノがローザの名を出した途端、カウンターの女性の警戒が解けたらしい。小さく息を吐いた後で、
「ローザさんの旦那さんなんですね。今、診察を行われていますので、少しお待ち下さい」
そう言って、カウンターの女性は奥にパタパタ走っていった。
「…あんなに疑われるような格好かのぅ?」
「そりゃあ、バトルアックス持ってる爺さんと武装してるデカイののコンビが女の子の行方聞くのは怪しいでしょ。ましてや、運び込まれた子達の境遇考えればね」
「そう言われてしまうと、そうかもしれんのぅ!こりゃ失敗じゃったわい」
カッカッカ!と豪快に笑うゼノ、俺も冗談言える位に打ち解けてはいたんだな、知らない内に。そうして2人で待っていると、カウンター橫の通路、恐らく診察室やらが並ぶ通路の手前から3つ目の部屋の扉が開き、中からアーシャが顔を出した。警戒するように外をキョロキョロ見回し、俺とゼノを見付けると扉に隠れるような姿で
「あ、あの…此方です」
と、手招きしてくれた…いや、聞こえにくいよ、そのトーンだと…中が静かで、俺がサバイバル能力(恐らく、危険察知能力上昇による聴力の一時的能力上昇によるもの)で何とか聞き取れる位だから。ゼノ、不思議そうな顔しちゃってるし…あの、病院は静かに!とは言うけれど、そこまでヒソヒソ声だと聞こえないですよー。つーか、そこまで怯えなくても…そんなに怪しいかな?それとも慣れてないだけ?まぁ、どっちでもいいか、兎に角招かれた部屋へ行こう。
ゼノと2人で部屋に入ると、そこには簡素なベッドが1つ。簡素ではあるが、柔らかそうな布団に清潔な白いシーツに、あたたかそうな掛け布団が乗っていた。そのベッドの上に、佳菜子ちゃんは座っていた。ローザやエリーと話をしていたようだ。
「あら2人とも…ケンタロウは急に飛び出した事を後で少しお説教だけど、今はいいわ」
うぐっ…まぁ、ルードを斬った辺りから暴走はしていたっぽいから、文句は言えないが。
「少し落ち着いた?」
佳菜子ちゃんに話しかけると、
「はい、かなり」
と、力無いもののニコッと笑った。
「はい、見付けられたのはこれくらいだった。足りない物は教えて、掛け合って聞いてみるから」
そうして、フリースやGパン、小物や下着の入ったトートバッグを手渡した。それを見るや否や、彼女の瞳からポロポロと涙がこぼれ始めた。
「どうしたの!?」
慌てて駆け寄るローザに
「いえ…その、嬉しくて…私の、トートバッグとか…服も…もう一生私の所に帰って来ないと思ってたから…」
そう言って、バッグと服を抱き締めた。
「良かったわねぇ…」
そう言いながら、ローザは佳菜子ちゃんを優しく抱き締め、頭を撫でてやる。
「それと、彼奴らとつるんでた道具屋も含め、立証の為に証拠品が必要だと言われて、申し訳ないが適当な物を渡した。どこかのポイントカードと100円玉、それと、1本だけ入ってた単3電池を渡してある。後日、返してくれるとの事だ。恐らく…ゼノかローザ、エリー、アーシャか俺辺りを通じてになるか、君が返却までに定住地を決めて、向こうもそれを把握していればそこに送ってくるだろう」
感動的な空気が台無しなのは重々承知の上だ。だが、俺に気の効いた事を言えというのは非常に高難易度なのだ。
「そ、そんな物が証拠品になるんでしょうか?」
不安そうな佳菜子ちゃんに
「向こうが良いと言っていたんだから、大丈夫だと思うよ?それに、全て此方の世界には存在していない物だからね」
と、答える。すると、橫からエリーが
「ケンタロウさん、何か怒ってます?」
と一言。
「すまない、表情が変わらないのはこの世界に来る前からなんだ。特に怒ってもいないよ」
「そうなんですか」
そうなんです。基本的に無表情だし、話す言葉に感情が乗り難いタイプなので。
「あ、あの…ところで、真上さん?」
「ん?」
「あ、あのー…ひ、非常に聞きにくい事ではあるのですが、その、ちゃんと聞いておいた方が…良いのか悪いのか、なんですが…」
歯切れ悪く言う佳菜子ちゃんに、何か分からない俺は
「答えられない事もそりゃああるけど、良ければ答えるよ」
と、極力優しく、怒ってないという事を伝えながら言うと、
「わ、わ、私の、その…下着…畳んでくれました、か?」
と、耳まで真っ赤にして聞かれた。そしてこれは失敗だ…回りにはゼノやローザだけじゃない、エリーやアーシャまでいるのだ…結果は、火を見るより明らか。
ジトーッと見てくるアーシャに引き気味エリー、「ケンタロウ、少しお説教を増やさなきゃね」と真顔のローザ、そして声を殺して笑うゼノ…ああ、終わった、俺の幸せな生活…そうだ、旅に出よう。サバイバルグッズもあるし、ハルバードやら鎧は返して、ただ旅に出よう…ウサ子は、気に入られているから任せよう。旅に…出よう。
「はぁ~、久しぶりに苦しかったわい」
そんなに笑ったのかよ…ゼノ、他人事だと思って…と、思っていたら、助け船はその笑っていた本人からだった。
「ところでのぅ、カナコ…例えばなんじゃがその下着、今返されるのと、証拠品として審問で提示された後で返されるの、どちらが良いかのぅ?」
「えっ!?あ、あの、それは…」
「ゼノ…そんなの…」
「ローザは少し黙っておれ。のぅカナコ、ケンタロウはな、最初は出来るだけ審問官やワシの目に触れぬように、そのフサフサした上着の中にくるんで隠しておいたんじゃ。での?その鞄に色々いれたら、服は入らなくてのぅ…仕方なしに、その鞄の下の方にケンタロウは入れ直したんじゃ。何かの弾みで外に落ちぬよう、誰かの目に触れぬようにの」
ゼノ…俺、ゼノに大きな恩が出来たよ。いつか必ず返すよ!
「で、でもゼノ様…審問で提示されるとは…」
「エリーよ、カナコの持つ鞄や中の物、お主はこの世界で見た事はあるか?」
「いえ…」
「審問官は、今回大きな問題点として「この国の法で守られているはずの召喚者の人権を踏みにじり、あわや性奴隷にするかのように扱った」と言う点じゃ。断じて許せん事じゃ。審問官もそれは同じ。あらゆる証拠を抑え、徹底的にやり込めたいはず。そうなると、物的証拠は多いに越した事はない。何なら、全て持っていき証拠として出したい位じゃろうて」
「そ、それは…」
「ケンタロウはの?まず必ず返却する事と、ここに持ち帰ったものは必要ならば必ず本人の許可を得ないといけない、という約束まで取り付けてきた。なのに、いくら下着を畳む、つまりは触ってしまっていたとはいえ、非難されるのはおかしいのでは無いのかのぅ?」
ゼノの論客っぷりは、年の功なのだろうか。俺はそこまで意識していなかったが、言う通りだ。
「あ、あのっ!」
ここで、張本人の佳菜子ちゃんが言葉を挟む。
「わ、私、その、恥ずかしかっただけなので…た、確かに、知らない人に下着を触られるのはちょっと、と、思いますけど、真上さんは助けてくれた方ですし、荷物も約束通り殆どが戻ってきましたし…寧ろ、お礼を言わなくちゃいけないのに」
「それはいいよ、別に。助けたのも、荷物の回収も、俺がやりたくてした事だから」
「兎に角、遅くなっちゃいましたが、ありがとうございました」
「いえいえ。後は少しずつ元気になって、それから考えれば良いさ」
「はい」
俺の言葉に頷くと、「ふぅ…」と少し息を吐く…やはり、相当に体力が落ちているんだな、佳菜子ちゃん。ローザが「ほら、疲れたでしょ?今はお休みなさい」と寝かしつけ、布団をかけてやる。すると、やはり負担か大きかったのだろうか、佳菜子ちゃんはすぐに小さな寝息を立て始めた。回りにこれだけ人とドワーフとエルフがいて、ここまですぐに寝落ちるのは相当肉体的にも精神的にもキツい日々だったのだろう。そう思うと、取り敢えずあの厚化粧ババアとクソ道具屋も2、3発殴っておけばよかったかもしれない。
「外に…」
珍しく、なのかは分からないが、一番自分の意見を言わなそうなアーシャが全員に外に出るよう促す。確かに、ここで会話していたら起こしてしまうかもしれない。
ソッと、極力音を立てないように外に出る。起きた時に誰かいないと不安になるかもしれないという事で、エリーが暫く中にいることになった。
エリーを中に残し、外に出た俺にローザが急に抱き着いてきた。えっ?旦那さんの前で?
「心配したわ、とても。急過ぎて、止められなかった。ゼノも私も」
「…ごめんなさい。本当に一瞬、記憶飛んでた。俺達の世界で言う、「キレた」んだと思う。怒りで、理性の箍が、ぶっ飛んだんだと思う」
ゼノがローザの肩を優しく叩き、そして抱き締める。そこに言葉なんかいらない。ただ優しく受け止める。ゼノはいちいち格好良いな。
「召還者さんは、その、怒りやすいんですか?」
アーシャに恐る恐る聞かれる…俺のイメージ…まぁどうでもいいんだが。
「いや…そこまででは…」
言いかけて思う。この世界に来て、大きな感情の動きで思い出すのはウサ子が捕まっていた時のゴブリン相手、さっきのルード相手…俺、キレてんな。おかしいな、向こうではそこまで怒る事も無かったのだが。
「そ、そうなんですか…怖い方かとばかり…」
「いや、身長がデカイだけで、普段そんなに怒ってないから。必要だと思わない限りは」
言って気付く、必要だからキレていたのか…そうなんだろうか?自分自身の事が良く分からない。これからは気を付けよう…本当に、この世界に来てから感情が戻ってきたかのように思える…ただ、喜怒哀楽の怒だけ戻ってきても困るのは困るんだが。
「ゼノ、ケンタロウと一度宿屋に戻ったら?疲れているでしょう?」
「それを言うならローザ、お主こそ付きっきりだったじゃろうが」
「あの、ゼノ様もローザ様も召還者さんも、一度宿に戻られても平気ですよ?私とエリーちゃんは、徹夜とか慣れっこですし」
魔法研究所の闇を見た…まさか、ブラックなのだろうか…だったら心配だ。俺もブラック経験者…というか、脱する前に死んだ身としては、ブラック企業で働く存在は放ってはおけない。
「貴方達…また徹夜とか研究所に寝泊まりとかしてるの?」
「研究に没頭しちゃうとつい…気がつくと夜中だったりして…」
ああ、そっちのタイプの集まりか…ならいいや、ブラック企業みたいに強制されている訳ではないなら、それで良い。俺の会社にもいたもんな、鬱でリタイアしちゃう人。その点俺は、爺ちゃんの知り合いのツテがそこの社長だったし、社長の知り合いで少年院にいて、このガタイだったから厄介事に巻き込まれにくかったと言えばにくかったが。それでもパワハラモラハラの権化だった課長は色々無茶言ってきてやがったが。
「…そうだ…ゼノ、ちょっとお願いがあるんだけど」
ふと思い出した事があり2人に頼みたい事が今出来た。ただ…如何せんお金がかかるから、頼みにくい事ではあるんだが。
「何じゃ?」
「えっと、さ…言いにくいんだけど、納品手伝ったら、少しお金を貰えるって話なんだけど」
「おお、そういえば忘れておったな」
「で、俺にはこの世界の貨幣価値がいまいちまだ分かってないんだけど、この町に来た時の荷馬車を往復分っていうのは、やっぱりかなりするもんなのかな?」
「往復?ワシらの家と、街をか?」
「そう…ちょっと、置いてきた物で必要な物を思い出して。もしかなりの値段がするんだったら、俺の世界の荷物を売ってでも埋め合わせをする」
「ふむ…そうじゃな、良いぞ」
「…え?」
「構わん構わん、孫の頼み位聞いてやるわい。それにのぅ、ワシはこれからローザと魔法研究所に行かなくてはならん」
「あ、劣化ミスリルか」
「それじゃ、質と量の確認に、な」
「それなんですが…」
「ん?なんじゃ?アーシャ」
「えと、質は…ちょっと分かりませんが、恐らく量に関しては…怒らないでいただければな、と」
「怒る?何でじゃ?」
「…既に私が現所長以下上層部と担当の責任者を叱ったからよ、かなりキツくね」
ローザも会話に加わる…叱ったのか…どれ位怖いのかは、今思い出しただけでフルフル震えているアーシャを見て判断しておこう。
「まぁ…見てみんと分からん事もある」
何かを感じたのか、ゼノは髭をモサモサしながらそれっきり考え込んでしまった。
「…取り敢えず、俺は一度戻るよ」
「ええ、そうね。行者さんは恐らく宿屋さんにマルコという名前で聞いたらすぐ連絡付けてくれるはず」
考え込んでいるゼノに変わって、ローザが引き継いで答えてくれた。代金も、後で払うから気にしないで良い、とのこと。
「カナコの事は医者や看護士に任せて、取りに行って来なさい。たた、出発は明日にしなさい。疲れているでしょうし、今からでは夜中になってしまうから」
確かに、夜になるのは恐らく不味い…焦りすぎてるな。回りも見えにくくなるし、魔物に襲われる可能性もあるのだ。俺の技量で行者さんや馬を守りながら戦えるとは思えない。
「そうだね、そうするよ」
「それじゃ、私は後の事をお願いしてくるわ…アーシャ、エリーを呼んでちょうだい。それと、明日はゼノを連れて研究所に行く事を所長に伝えておいてくれる?」
「わ、分かりました、それじゃあ私はエリーちゃんに声をかけて、研究所に戻ります」
そうして、それぞれがこれからやるべき事の為に動き出す。俺はゼノの肩を叩いて思考の沼から引き摺り出すと、「先に宿に帰ろう」と声をかけて、一緒に宿屋に戻る事にした。
翌朝、前日宿屋の御主人に話をしておいた所、行者さんはもう少ししたら来てくれるとの事だった。俺は空になったリュックは後で買い出しの荷物を入れるのに使えるのでは、と思ってゼノに預け、身1つで帰ることにした。戻れば、小物入れみたいのはあるだろう。宿屋の御主人曰く、「お代はゼノさんから頂いている」との事、流石はゼノだ。
宿屋の外に出て待っていると、本当にすぐに来てくれた。
「すみません、話は聞いていると思いますが」
「ええ、ゼノさんのお家に行って、貴方の用事が済んだらまた乗せるって話ね?大丈夫、終わるまで待っているから」
「あ、それと…これを持っていてくれとローザが」
昨日の夜にローザに渡された、模様の描かれた小さな木の板を渡した。
「ああ、ローザさんが…じゃあ、これは結界突破用の紋様だね。了解した、持っておく」
すぐに察知する辺り、この人は知っていたのだろうか?ローザは外出時に敷地全体に結界魔法をかけていたのだった。因みに、これがないとどうなるのかを聞いたら、
「良くて電撃による全身火傷、酷ければ骨まで炭になるわね」
と、笑顔で言われていた。いや、怖いって。良くてほぼ即死じゃないか。その話もついでにしておくと、
「…行くの辞めようかな…いや、冗談だよ」
と笑って返された。恐らく前払いで、しかもゼノの頼みじゃなければ断っていたんだろうな。お互いに気を付けていきましょう、この掌サイズの木の板が、我々の命綱な訳ですし。お互い、何とも微妙な笑顔を交わし、俺はこの街に来た時同様、荷台に座る。
「また寝てても良いよ」
「…あー、いや、恐らく大丈夫です」
「そうかい?結界を通り抜ける時の恐怖感が無いから、寝ちゃってた方が…」
「善処します」
「その方が良いよ」
そうして、荷馬車は発車する。ガタゴトガタゴト、つい2日前なのに何だか懐かしさすら感じる揺れに揺られて、一路居候先に…いや、もう俺の家でもあるのか、多分。
◆
魔法研究所に来たゼノとローザは、所員の案内で劣化ミスリルの集積されているという部屋の前まで来ていた。
「のぅローザ、事前に聞いてはおるが…驚く、
とはどういう事なのじゃ?」
「ま、見れば分かるわ」
呑気に会話をしながら歩いてはいるが、魔法研究所は国家機密レベルの重要な開発などもしている、本来ならば一般人は一切の立ち入りが禁じられている施設だ。
「この部屋になります」
そんな施設の一室の前で、案内をしていた所員は立ち止まり、金属製のスライド式の扉の取っ手に手をかけ、「ふん!」と力を込めて扉を押すと、ゆっくりと、重々しく軋む音を立てながら扉が開いていく。
「重そうじゃのう」
「ここの所員は運動不足になりがちだからね…それでも、貴方の腕力と比べるのは理不尽なレベルだと思うけど」
「そもそも、人とドワーフの違いがあるからのぅ」
そんな雑談をしながら扉が開ききるのを待っていた2人の目に飛び込んで来たのは、研究室というにはかなり大きな部屋の中に所狭しと積み上げられた金属製品の数々だった。
「のぅ、ここは元々何の部屋じゃったんじゃ?」
半ば呆れるゼノの問いに、20代のまだ若い案内役の青年は
「…えっと…すみません、僕がこの研究所に入った時には、既にこれよりちょっと少ない程度の状態で、元々何の部屋かは聞いていなくて…ただ、不要な金属は汚れを落としてここの部屋に置け、と教えられました」
と、乱れた息を整えた後で答えてくれた。
「驚いた?」
というローザの問いにはただ一言
「呆れた」
としか答えられないゼノであった。




