最高時速6キロ
すみれが祖母と一緒にやって来た。
来るなり、自動運転電動カートを見ていた。
「なあに、これ?」
すみれは、電動カートの座性に、ちょこんと座った。
「わああ、これいいわあ~~!」
アキラがやって来た。
「すみれちゃん、それは、病気で歩けなくなった人がのるんだよ」
「へ~~え、そうなんだ」
すみれは降りた。
ロボットの福之助がやって来た。
すみれ「わあ~~、この前のロボットさんだ!」
福之助「こんにちは、お嬢ちゃん。わたしは福之助です。福ちゃんと呼んでください」
「はあい、分かりましたあ~~、福ちゃ~~ん」
「福ちゃ~~んじゃなくって、福ちゃんです」
「はあい、福ちゃん!」
すみれは、やけに楽しそうだった。
アキラ「きょん姉さんは、どうしたんだい?」
「きょん姉さんは、朝早くに、熊本に行きました」
「熊本?仕事?」
「そうです、仕事です」
「福ちゃん、留守番?」
「そうです、留守番です」
「じゃあ、福ちゃん、ここに何しに来たの?」
「根占さんが、焼き芋が欲しいというので、買いに来ました」
「そうかい。根占さんは元気かい?」
「はい、とってお元気です」
「それは良かった」
すみれ「福ちゃんも、ドームハウスに住んでるの?」
「そうですよ」
「ドームハウスを見てみたいわ」
「いいですよ。でも、ちょっと遠いですよ」
「そんなに遠いの?」
「1キロくらいかなあ」
「じゃあ、無理かなア~~」
アキラ
「この電動カート、お金を払うと乗れるらしいよ」
すみれ「ほんとう?」
「1キロ500円だって」
アキラは電動カートを操作パネルを見て、指差した。
「ほら、ここに、お金を入れるところがあるだろう」
「ほうんとうだ!ここに入れればいいのね」
「たぶん、そうだよ」
祖母が、千円札を出した。アキラが受け取って、差し込んだ。
電動カートが喋った。
「いらっしゃいませ。どうぞ、乗ってください。最高時速6キロです」
祖母が乗って、すみれを膝の上に座らせた。
「ハンドルのレバーを押すと走り出します。ゆっくりと押してください。レバーを離すと、ブレーキがかかります。」
すみれ「じゃあ行きましょう。福ちゃん!」
福之助「はい」
すみれ「あっ、そうだ。焼き芋を買いに来たんだわ」




