自動運転電動カート
11時を過ぎた頃に、アニーがやって来た。後ろから、電動カートが、走っていた。
「みなさん、こんにちわ」
ショーケン「こんにちわ!」
アキラは、手を上げて答えた。「やあ、アニー、後ろのは、何?」
「自動運転の電動カートです」
「自動運転?」
「人間が運転しなくても、自分で走るんです」
「へ~~~え?何に使うの?」
「ワクチン後遺症で、歩けなくなった人や、体調の悪い人を乗せて、病院や警察まで運ぶんです」
「それは凄いや。人間が運転しなくても、勝手に運んでくれるんだ」
「そうなんです」
「さすが、高野山って感じだねえ」
「一日中、町中を走り回っているのも、バッテリーの無駄ですから、救護ポイントをつくって、そこで待機させることになったんです」
「なるほど~~」
「お金を払えば、誰でも乗れるんですよ」
「ああ、そうなんだ」
「一人だけね?」
「幼い子供だったら、抱いて乗せることもできます」
「それはいいねえ」
ラーメン屋の深澤がやって来た。
「おっ、これいいねえ~~」
アキラ「自動で動くんだって」
「へええ、じゃあ、出前に使えそうだなあ」
「そうだね~~」
「人手不足だから助かるよ」
「いいかもよ」
「自分で帰って来るの?」
アニー「はい、自分で帰って来ます」
「いいねえ~~、どこに売ってるの?」
「高野山忍者隊の製品なので、市販はされていないんですよ」
「なあんだ、がっかり!」
「上司に言っておきますね」
「ありがとう」
深澤は、焼き芋を3個買うと、去って行った。
アニー「どこに置こうかな~~?」
アキラ「置き場所、探してるの?」
「そうです。人が通りそうな所・・」
「じゃあ、ここがいいよ。この辺」
「そうですねえ~~」
アニーは、石焼き芋リアカーの近くに置いた。
ショーケン
「子供がいたずらして乗るんじゃないの?」
「子供の声では動かないんです」
「なるほど。子供が病気の場合には?」
「大人が、声を掛ければ動きます」
「よくできてるなあ」
電動カートには、アクリルの透明な屋根がついていた。
「弁当食べるときに、いいなあ~~」
アニー
「休息してもいいんですよ。でも、病人が来たら譲ってくださいね」
電動カートの座席の背もたれに、そういうことが書かれてあった。
アキラ「これ、ここに何時まで置いておくの?」
「夜の10時までです。警察署まで自分で戻って行きます」
「戻ったら?」
「ロボットが充電して、朝6時に、同じ場所に出て行きます」
「へええ、凄いねえ」
アニーは「よろしく、おねがいしなす!」と言って、帰って行った。




