テレポテーション
次の日も、朝から雨だった。
いつもの時間に、よう子はやって来た。
「あら、アキラさんは?」
「今日は早くに出て行った」
「アルバイトですか?」
「そう、昨日と同じバイト」
「お昼から、お天気になるって言ってましたよ」
「高野山の天気予報は、あてにならないからなあ」
「そうですねえ」
「晴れたら、売りに行くよ」
「そうですねえ」
「そのつもりで来たんだろう?」
「っていうか、いつもの習慣で」
「お昼まで待機」
「何もしないで待機でえすかあ・・」
「何かする?六角オセロでも?」
「朝から、そういう雰囲気じゃないわ」
「どういう雰囲気?」
「そうですねえ・・」
よう子は腰を振ってみせた。
「こういう雰囲気」
「困った、お嬢さんだなあ」
・・・
「あら、あなた、元気ないわねえ?」
「この前、やったばかりだからなあ・・」
「アラシールド、飲んでる?」
「うん、飲んでるよ」
「じゃあ、アラクリームも塗るといいわ」
「あそこに?」
「そう、あそこに。お風呂上りに塗るといいわ」
「へ~~~え」
「わたしも塗ってるわ。血行が良くなるわ」
「君も塗ってるの?あそこに?」
「そう。とっても、気持いいわよ」
正午になると、雨は止んでいた。
「よう子、出掛けよう!」
「はい、あなた」
二人が金剛峯寺に向かっていると、後ろからセグウェイで、きょん姉さんと福之助がやって来た。
きょん姉さん「今からですかあ?」
よう子「そうでえす」
「あれ?アキラさんは?」
「アルバイトなんです」
「そうなんですか」
「今から、どちらに?」
「アラシールドを買いに、役所まで」
「根占さん、お元気ですか?」
「はい、とっても。明日から仕事で熊本に行きます」
「根占さん、一人で大丈夫ですか?」
「食事は、毎日、宇宙人から届くので大丈夫です」
「えっ?」
「テレポテーションで届くんです」
「ほんとうですか?」
「はい」
「隆二さんが、天使側の宇宙人って、言ってました」
よう子「天使側の宇宙人?」
「はい」
前方に去って行った。
「テレポテーション?」
「瞬間移動のことです」
「ああ、よくSFに出て来るやつね」
「ええ、そうです」
「天使側の宇宙人?りゅうちゃん、変な事言うねえ」
「そうですねえ。変な科学者ですねえ」
「昔から、変だったけどね」笑って答えていた。
いきなりの、テレポテーション、天使側の宇宙人という言葉に、よう子とショーケンは戸惑っていた。
「わたしたちも、帰りに、アラクリームを買いに行きましょう」
「そうだね・・」




