一目で分かったよ
雨の中、兄弟はスーパー勝間屋に向かって、傘を差して歩いていた。兄は高校生で、弟は中学生だった。体調が悪く、学校を休んでいた。
「あんちゃん、頭痛は良くなった?」
「まだ痛いよ。薬を飲んでも、ちっとも治らないよ」
「俺もだよ、下痢はするし」
「あんちゃん、また、悪魔の足音が聞こえていたよ」
「そうみたいだな・・」
「朝っぱらから、何やってんだ?」
「おそらく、獲物を探しているんだろう」
「こんな時間に?」
「心配するな、襲ってくるのは、夜中」
「そうだけど、気持ち悪いよ」
「ワクチンを打ってから、こうなったなあ・・」
「そうだね、あれからだね」
「あれは、悪魔のワクチンだなあ」
「そうだねえ、打たなきゃ良かったね」
「テレビで、打たないと重篤化するって、さかんに脅してたからなあ」
「打ってしまったものは、しょうがないね」
「体調が変になったのも、接種後からだしな」
「絶対にワクチンが原因だよ!」
男が、二人の前で立ち止まった。
「君たち、顔色悪いねえ、ワクチン色してるよ」
兄「ワクチン打ちました。分かります?」
「ああ、一目で分かったよ」
「そうなんですか?」
「頭痛とか、眩暈とか?」
「はい、頭痛がして、熱があって」
「アラシールド飲むといいよ、三日で治るよ」
「アラシールドで治るんですか?ウイルスには効くって知ってましたけど」
「ウイルスもワクチンも同じものだから、効くよ」
「同じ物なんですか?」
「今度のウイルスは、ワクチン会社が、作ったものなんだよ」
「そうなんですか」
「ワクチンと称して、ウイルスの種を、細胞内に注射してるだけなんだよ」
「そうなんですか?」
「ワクチン後遺症は、病院の薬では治らないよ」
「そうなんですよ」
「西洋医学は、対処療法だからね。根本的には治してくれない」
「そうなんですよねえ」
「役場で売ってるよ」
「お値段は、いくらくらいで?」
「30錠、千円だったかな?」
「安いですねえ、早速、今から買いに行きます」
「飲めば治るよ!」
「ご親切に、ありがとうございます!あなたの、お名前は?」
「毬藻、幻魔教団の毬藻」
「ああ、幻魔教団の方だったんですか」
「君の名前は?」
「須藤元気です。こっちは、弟のマサト」
「がんばれよ!」
「頑張ります!どうもありがとうございます!」
幻魔教団の毬藻は去って行った。




