自己喪失病
よう子は、すみれに近付いて、言い聞かせた。
「すみれちゃん、いくら可哀想でも、ああいう人に近付いたら駄目よ」
「知ってます。病気が移るんでしょう。ママが言ってました」
「そう」
「おじさん、どこに行ったのかしら?とっても可哀想だわ~~」
少女は、また泣き出した。
「みんなで助けてあげればいいんだわ」
よう子
「そうだね、すみれちゃん」
ショーケン
「高野町で、病院かどこかに保護してやればいいんじゃないか?」
すみれ
「保護って何ですか?」
ショーケン「守ってあげること」
「うわあ、それいいわあ!さすが、歌手のショーケンさんだわあ~~!」
アキラ「兄貴、それ名案だよ」
よう子「それはいいですねえ」
「いいことを聞いたので、お母さんに知らせに、帰ります。みなさん頑張ってねえ~~」
少女と祖母は、手を振りながら帰って行った。
アキラ「移るんだ?」
「そうなんです。子供には、特に」
「子供も、ああなるの?ゾンビみたいに?」
「ああはなりませんが、発熱したり、蕁麻疹がでたりします」
「それは、やばいな~~」
「最近、多くなってるんです」
「ワクチンゾンビが多くなってる、ってことか。あんなのが、夜歩いていたら、怖いねえ~~」
「恐いですねえ」
「まったく、恐ろしい悪魔ワクチンだねえ」
「どの国も、競争するように、悪魔ワクチンを打っています」
「いったいどうなってるんだ?不思議だねえ~~」
「パソコンのセキュリティと、やり口は同じです。危険です、感染します!の連呼」
「そうだねえ、どこのテレビ局も」
ショーケン
「ワクチン会社から、金銭が入ってるんじゃないのか?」
「そうだね~~」
「5アラや、イベルメクチンが広まると、ワクチンが売れなくなるので、必死で妨害してるんですよ」
アキラ「なるほどなるほど、そういうことか」
ショーケン
「どう考えても、宇宙人の仕業だなあ」
「わたしも、そう思ってるんですけど・・」
「UFOにでも尋ねるしかないかな?」
アキラ
「でも、UFOの宇宙人だって、敵か味方だか分からないよ」
「そこが問題だな」
「よう子ちゃん、こんどUFOがやって来たら、そこんところ訊いてみてよ」
「はい、分かりました。でも、答えてくれるかしら?」
3時になった。焼き芋は、全て売り切れた。
ショーケン
「さて、帰るか!」
「今日も、面白いように、売れたね~~」
「これも、よう子ちゃんの、お陰だな」
遠くから、沼田さんが、リアカーを引いてやって来た。リアカーには、すみれちゃんが乗っていた。
沼田「みなさん、こんにちわ」
ショーケン
「やあ、沼田さん、久し振りですねえ」
「これから、ここで、焼き芋を売らせてもらおうと、思ってね」
「ああ、いいですよ。どうぞ、どうぞ」
アキラ
「すみれちゃ~~ん、どうしたの?」
「おじさんの、お手伝い」
「へ~~~え、すごいねえ」
「お友達なの」
すみれは、おもちゃのギターを持っていた・
「これで、おねえちゃんみたいに歌うの」
よう子
「おばあちゃんは?」
「あとで、ママとクルマで来るわ」
「どんな歌をうたうの?」
すみれは、ギターを、無茶苦茶に鳴らしながら、歌い始めた。
丘に登って 下界を見ると~~ ♪
「わあ、吉田拓郎の歌ね、知ってるんだ?」
「お父さんが、よく歌ってるの」
音は滅茶苦茶だったけど、テンポだけは合っていた。観光客が集まって来た。
知らない老婆がやってきた。立ち止まった。
「ここはどこ?わたしは、ここで何をしているの?」
アキラ
「おばさん、しっかりしてよ。ここは高野山の金剛峯寺」
「わたしは、誰?」
「だめだ、こりゃあ!警察を呼ぼう」
よう子
「これは、ワクチンによる、自己喪失病ですね」
「認知症、?」
「自分のやってることが、分からなくなってしまう病気です」
「へええ」
「認知症は、生きているという自覚はありますが、これは、自覚が無い病気です」
アキラは、老婆をベンチに座らせると、警察に電話をした。




