リアカー救急車
アキラ
「おっそろしい世の中になったねえ、兄貴。安心して散歩もできないねえ」
「そうだなあ」
三人の目の前で、男の老人が倒れ込んだ。
アキラ
「どうしたの、おじさん?」
返答は無かった。
ショーケン
「脈を診てみろ!」
アキラは、老人の心臓に手を当てた。
「動いてる!」
「息は?」
「してる」
ショーケンは、高野山救急センターに電話した。
老人は、目を閉じていた。
よう子「おじさん、大丈夫?」
「大丈夫みたいだよ・・」と言いながら、目を開けた。
「もう少し、静かにしていたほうがいいわ。今、救急車を呼んだから」
「ありがとう」
救急車を待っていたら、リアカーを引いたバギーカーがやって来た。
男性の看護師がバギーを運転し、リアカーには、女性の看護師が乗っていた。
男性の看護師「すみません、救急車が出払っちゃって」
女性の看護師「この方ですか?」
アキラ「そうです!」
リアカーには、マットレスが敷いてあった。
女性の看護師「おじさん、歩けますか?」
老人は、ゆっくりと起き上がった。
女性の看護師「リアカーに乗れます?」
「ああ、乗れるよ」
老人は、乗ると、横になった。
「この方、お一人で?」
ショーケン
「そう、一人だったよ」
「わかりました」
女性の看護師が、老人の足元に座ると、バギーカーは、リアカーを引いて動き出した。
アキラ「バギーカーに、リアカーとは、驚いたなあ~~」
よう子「さすが、高野山ですね」
ショーケン「今までに、見たこと無かったなあ」
アキラ「そうだねえ~~」
よう子「きっと、患者が多くなったからなんでしょうねえ」
アキラ「ワクチン病で?」「はい」
「ワクチンってのは、病院にも迷惑をかけてるってわけだ。警察にも」
「そういうことですねえ~~」
ショーケン
「まさに、世の中を混乱させる、悪魔のワクチンだなあ」
「あれだと、狭い山道でも入れるから、いいよね」
「そうですねえ」
「でも、悪路は無理だねえ」
「高野山忍者隊には、悪路でも大丈夫な、水陸両用の6輪救急車があるんですよ」
「へ~~~え、そいつは凄いや」




