絶対に許せん!
二人は、アラシールドを買い求めると、麻田洋子の家に行き、アラシールドを渡すと、お悔やみを言って、帰路を急いでいた。ショーケンは、麻田洋子の悲しい顔を思い出していた。
「よおし、絶対に賠償金を取ってやるぞ!」
「そうですねえ!」
「絶対に許せん!」
ショーケンは、リアカーを引きながら、泣き出した。
「生きるって、なんだか悲しいねえ」
「そうですねえ」
「俺も、親不孝、しちまったな~~」
よう子は黙って聴いていた。
「親孝行、したいときには、親は無し・・」
「ショーケンさんは、奥さんはいないんですか?」
「いたけど、別れた」
「そうなんですか」
「お子さんは?」「いない・・、いたけど、死んだ」
「お病気ですか?」「そう」
「チョレート、食べます?」「食べたくない」
「ショーケンさん」「ん、なあに?」
「ちょっと止まって」「いいよ」
「こっち向いて」「こうかい?」
よう子は、ショーケンの左ももに、軽くローキックを放った。
「ありがとう!元気が出て来たよ」
「良かった!」
「君は名医だね~~」
よう子は歌いだした。
この道は長いけど 歩きながら行こう♪
石っころだらけれど 歌いながら行こう♪
果てしない旅だけど 笑いながら行こう♪
「アラシールドを飲むと、若返って、元気が出て来るんですよ」
「若返って?」
「全身の細胞を元気にするんです」
「じゃあ、早速1つ飲んでみよう」
「飲み物は?」
「ない」
「あそこに自販機があるわ。何がいい?買ってきてあげるわ」
「そうだねえ。お茶でいいよ」
駆け足で行き、買うと、駆け足ですぐに戻って来た。
「はい」
「よう子ちゃんは優しいねえ」
「そうかしら?」
「きっと、いい奥さんになるよ」
「わたし、ショーケンさんの奥さんになりたいんです」
「えええ~~~、まじ~~~?」
「まじです!」
「僕は風来坊だよ」
「そういうところが、大好きなんです」
ショーケンは、よう子の目を見ていた。よう子も、ショーケンの目を見ていた。猫が二人を見ていた。




