表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王のサンクチュアリ  作者: 北乃 一
6/10

新しい世界

              ※ ※ ※ ※ ※


 マライカに聞かされたとおり、その人はとても綺麗な人でした。

 彼は殆ど頭を垂れていたので、私は長々と、彼の旋毛を眺めておりました。「白獅子」と、マライカに教えてもらったその名のとおり、薄い金色の髪の毛が獅子の鬣のように流れて、眩しく輝いていました。ほんのり優し気な瞳と、意思が強そうな引き締まった唇も、どれも皆、私には眩しかったのです。

 私は白いローブを着用しておりまして、彼も同じく白い軍服とマントを着ていましたが、彼のほうがよっぽど堂々としていて、王者のようだった。

 彼は背も高く身体も逞しかったので、刀を振り回している様子も是非、見てみたいと思いました。

 あのような、輝かしい人を知ってしまうと、自分の姿かたちの情けなさが実感されて、いつもよりもっと、哀しい気持ちになってしまうものです。


              ※ ※ ※ ※ ※


 王城はざっくりと二つに区分けされている。政務や会議、公務を執り行うエリアにはそれぞれの執務室がある御勤殿、食事や睡眠などの日常生活を過ごす居住区域には正寝殿があり、そこには王の部屋を始め各関係者の自室、宿舎がある。


 正寝殿に隣接した近衛隊の宿舎に入ったカダルフィユとガイコを、三人の人間が出迎えた。

 現在、隊長代理として全体を見ている副隊長、ザザ・ユウマ。王城担当責任者、ミー・ハーフィー。城外及び城下担当責任者、ソラン・ハクヒ。


「本日は、代表として私達のみのご挨拶で失礼いたします。残りの隊員のご挨拶は、明日行います」

硬質の声で告げたのは、ザザである。

 カダルフィユはしばし逡巡した。

 もう夜になってしまったし、隊員達が皆、諸手を挙げて歓迎してくれるとは夢にも思っていなかったが、代表の三名のみで他は誰もいない、という事態は正直、考えていなかった。この宿舎は、これからカダルフィユとガイコも寝起きする場所で、当然他の隊員達も、この建物内にいる訳だ。

 隊員が今ここにいるのなら、集合をかけてよいのでは。

 硬い声、硬い表情で出迎えた彼等からは、分かりやすい拒絶の空気が滲みでていた。

 カダルフィユは、フッとため息をつき、

「よろしく頼む」

という、短く、愛想のない挨拶をした。


 さて、この後どうしたものか。それは対する彼らも同様のようだった。彼等は踵を揃えて敬礼をとり、それを解いたあとも無言のままだった。

 カダルフィユは、その場を取り繕えるような上手な言葉運びができない性格だった。

 自分に対するやっかみや嫉妬の感情には慣れている。それをどうにかしてかわすことは、大人になった今。それなりにできていると思う。なんのことはない、自分の利点、己の容姿を最大限に活用するのだ。

 本意を隠し、にっこりと微笑むだけで、相手の心が和らぐことを、カダルフィユは学んでいた。だが、あからさまに反意を向けられている、この場合もそれは通用するのだろうか。


 居心地の悪い状態で、これはとりあえず何か言わねば、と口を開きかけた時、ガイコののんびりした声が

「どうも、俺は気が引けてしまうな」

と、背後から響いたので、カダルフィユは言葉を引っ込めた。

 振り返ると、ガイコは人懐こい笑顔を浮かべながら、カダルフィユの肩越しに、前に並ぶ三人に声を掛けた。

「貴官らのような美形に囲まれた事がないからな。暫く妙な振る舞いになってしまうかもしれないが大目に見てくれ」

 邪気のない笑顔で言い放ったガイコに、隊員達は虚を突かれたような顔をした。ガイコにつられて笑顔になった訳ではないが、それまで張りつめていた空気が一瞬緩んだのが、カダルフィユにも感じられた。

「それにしても、俺が近衛隊というのは絵面的に納得しかねるよな」

眉毛を下げて、ガイコはおどけた表情を作った。

 ザザが、まだ硬い声で

「そんなことは、ございません」

「慰めはいらないぞ」

ははっ、と、ガイコは続けた。

「四方山の時に顔を合わせたのを覚えているか?」

「はい、その節はありがとうございました」

答えたのは、ザザだった。

「礼をするのはこちらのほうだ。あの物資がなければ俺達は飢え死にしていたよ。本当に世話になった」

ガイコは明るく、大きな声でそう告げた。

「ザザは副隊長だろう?俺も副隊長を命じられたが、とても直ぐは務まらん。、新人と思って遠慮なくしごいて欲しい。俺達は腕っぷしには自信があるが、王城の事は中も外も、さっぱりだ」

 ガイコは明るい笑顔で、カダルフィユに視線を移

す。

「隊長、これから色々教えて貰わなければなりませんね」

「ああ」


 ガイコと行動を共にしていて、このような場面に出くわす度、カダルフィユはガイコが羨ましくてたまらなくなる。

 自分にできぬ場の和ませ方、人の懐に上手に潜り込む方法、人心掌握方法をガイコは心得ている。本人は意識しているのか、無自覚なのか、どちらにせよガイコは自然に人の心を掴んで、いつの間にか、居心地の良い空気を作り出すのだった。当然、温まったその場はガイコを中心に回りだす。

 カダルフィユにはそれができない。もともとの性質が神経質で人見知りなので、初対面の人間と会話を続けるという事が苦手だ。美しく微笑むだけでは、関係は深まらない。

 カダルフィユは決して人間嫌いではなく、むしろ寂しがりの一面もあるので、ガイコのようにすんなりと人と親しくなれる事が、素直に羨ましい。

 自分が現在、人の上に立つ立場であるのを自覚する程、こんな些末な事柄がこなせないことが、情けないとも思う。

 そんなカダルフィユを、ガイコはあっさりと助けてくれた。気遣いも忘れぬ男は、そのような場面でも必ず、自分を立ててくれる。それが嬉しくもあり、もどかしく、劣等感も刺激されるのだ。


 ガイコはもう親しげに、三人になにやら、刀の銘柄をなどを訪ねている。三人は毒気を抜かれたような、なんとも言えない顔をしていた。

「私の物は、正宗です」

と答えているのは、先ほどミー・ハーフィーと名乗った男だ。ウェーブかかった柔らかそうな長髪で、長身でスタイルが良く、驚くほど肌が美しかった。ミーはどうやら、この三人のなかでは友好的なようだった。ガイコに対して、次第に人懐こそうな笑顔を向け始めている。

 その傍らで、まだ戸惑ったような硬い表情で立っているのは、ソラン・ハクヒ。濡れ羽色の艶めいた黒髪を高く結い上げたこの男は、濃い眉毛と大きい目が、節句の人形のような美丈夫だ。

 最初に口をきいたザザ・ユウマも無表情ながら、ミーに続き自分の刀を見せていた。ザザは線の細さを感じさせるが、非常に知的そうな、すっきりとした切れ長の瞳の持ち主だった。直線を描く鼻筋が堅物そうなイメージだが、少しだけ微笑んだ顔は、少年のような爽やかさを醸し出した。

 そう、この三名は近衛隊の評判通り、見目麗しい美形揃いだった。この分だと残りの隊員達が揃った様はさぞかし、眼福だろう。


 ガイコがなんとなく丸く場を収めてくれたので、今宵は素直に引き下がる。少々悔しくもあったが、こちらにはとりあえず、敵意はない。いずれ、馴染んでくれればそれでよい。

 今夜は、王への謁見の儀があったのだ。本来なら、その場に近衛隊のメンバーが出席し、警備についているはずだったのではないか。それが、ヴェルタ・イリスの不祥事の影響で、同席を許されていなかったのだとしたら、それは王を護る近衛隊の彼らにとっては、屈辱以外のなにものでもないだろう。ならば、謁見の主役を務めた新任の隊長に、必要以上に頑なな対応になってしまうのは、理解できなくもない。

 それに、なんといっても身体も神経も疲労困憊だった。ここで喧嘩を売るのも買うのも、面倒以外のなにものでもない。

 解散となった後、カダルフィユとガイコは直ぐに、宿舎内に用意された執務室に向かった。明朝の正式な着任の挨拶の場には全員揃っているよう、これもまたガイコが柔らかく念を押した。敬礼で答えた三人からは、ほんの少しだけ硬さが抜けたような様子だった。


執務室にて軽く夕食をとると、既に時刻は深夜に近い時間帯となっていた。

 一日中帯同し、お互いの顔にいい加減飽きていたカダルフィユとガイコは、やっとそれぞれの自室に引き上げることとなった。

 宿舎内に用意された自室は、花華でのそれと比べると広さも豪華さも桁違いだった。風呂も馬鹿でかい。寝台に転がると、程よい弾力が身体に心地よかった。駐屯所で使っていた固い寝台とは大違いで、こんなに寝心地が良くては、毎晩熟睡してしまって、非常時に飛び起きる事ができないのではないか、と心配になる。

 そう考える間にも、瞼は重く沈んでゆく。一瞬、眠りの沼に引きずり込まれたが、気力を絞り、沼からなんとか這い出る。

 就寝前にまず、素振りをしなければ。両手、片手それぞれ五百本。これは士官学校に入る前から、雨の日も風の日も、いかなる時にも続けてきた、カダルフィユの鍛錬だった。

 生真面目なカダルフィユは、素振りをしながら、一日の出来事を反芻して反省したり、悲しんだり、喜んだり、時には全くの無になりながら、自分の精神をコントロールしてきた。

 今感じている疲労は尋常ではないけれど、今日の様な時にこそ、素振りで頭の中を空っぽにしたいと思う。


 ベッドの誘惑を振り切り、勢いをつけて寝台から飛び降りると、自分の荷物を漁った。重量級の正装をやっと脱ぎ、簡素なシャツに着替える。

 宿舎の外に出ると、思った以上に肌寒かった。これは本当に雨が降るかもしれない。干ばつの状態での雨は大歓迎だから、降るならもっと寒くなってもいい。

 カダルフィユは、王城への渡り廊下を進んでいく。暗い廊下の所々で、ランプの灯が揺らめいていた。ひたひたと進む廊下の途中から、庭の中にふいに現れる狭い小道を抜けると、程なく小さな空間に到着した。

 だだっ広い王城内だが、宿舎からここまではそれ程、距離も離れていない。

 昼間にざっと城内を案内された際に、少しばかり庭を散策した時に、偶然発見した場所だった。広い庭の一部であるが、周りを木々が取り囲む、ぽっかりとした空間だった。

 王城と近衛宿舎の合間にひっそりと存在し、木々に遮られて人目につかない場所、というのが気に入った。誰かに見られず、邪魔をされずに鍛錬に励むのには、うってつけの場所と思われた。こっそり刀を振り回すには、丁度よい場所だ。

 刀といっても、只の木刀である。それでも振り下ろせば賊の一人や二人倒す事はできる武器となる。物騒には変わりないものだった。もし誰かに咎められのなら、また別な場所を探なければ。


 カダルフィユはおもむろにシャツを脱ぎ、地面に放り投げた。

 外気にさらされ、少しだけ鳥肌が立つ。月の光に照らされて、自分の白い肌が光っていた。細かい産毛の一本一本が月光を吸収し、発光しているようだ。両腕を摩るとつるつるとしていて、我ながら触り心地が良かった。

 カダルフィユが馬鹿真面目に日課の素振りを続けるのは、理由がある。

 自己鍛錬の為は無論だが、その他の大きい理由は、身体に筋肉が付きにくく、そしてついた筋肉は、油断をするとすぐに柔らかい脂肪に変化してしまうからだった。これはカダルフィユのコンプレックスの大きな一つだった。


 カダルフィユ・レイカースは「双様」である。

 「双様」は通称「ダブル」と呼ばれる。双様とは、所謂、両性具有者を表わす名称だった。男女両性を持つ者だが、その特性には、かなりの個人差がある。

 カダルフィユは完全に男性寄りの双様で、女性を象徴する部分といえば、コンプレックスである筋肉の付きにくさ、髭があまり生えない、色白、等の器の特徴がいくつか、そして月に一度訪れる、非常にうっとおしい月経、などがあげられる。

 それらを除けば、外見だけであればカダルフィユは完全に男性であった。黙っていればまず、双様であると気づかれない。

 そういう者がいる一方、男女両性の特徴を全て備えた者もおり、その場合は少々難儀な事になる。

 双様の子供が誕生した際、基本的には、まずは男か女か、どちらかに決めて育てられる。産まれた子の体つきや顔立ちなどで判断したり、又は両親が欲しかった方の性別に仮決めをする。そして子の成長の過程を見守りながら、ある程度の年齢までは、男女どちらの性にも切替られるように育てていくのだ。


 切替が必要な場合は、早めのほうがよいとされていた。ある程度の成長期よりも前に、その性が合っているのかの見極めと自覚が必要だった。ここは人によっては難しく、身体的な特徴、例えば男として育っても乳房が大きく膨らみ始めたり、女だったはずが髭が伸びて野太い声になり、などという、本人の意思とは無関係に、致し方なく性を切り替えなければならない例もあり、それが大人に成長してしまってからの切替えだと、周囲の対応も含め、非常に困難な事となる。

 なにより当人の心が、性の切り替えについていけない場合もある。どうしても替えたくない、どうしても今のままの性で生きたい、そのような時に駆け込む場として、整形医療所があった。整形医療所では、外見を当人の希望の沿って作り変える治療ができた。ただし、治療例により、費用は膨大である。

 医療所は各都市にあるが、中でも雪晶(せっしょう)は、整形医療の技術発展の躍進が目覚ましく、よりよい医療者に巡り合うため、雪晶に向かう者は少なくない。

 そこで片方の性を切り捨て、もう片方の性として生きるか、それとも両性のバランスを上手くとりつつ生きて行くか、双様とは、大きな試練と運命を持つ者であった。


 双様の為の整形医療技術が発達している事から分かるように、双様の出生は決して珍しい事ではなかった。

 中央では双様についての研究も進めているが、どのようなタイミングや条件で出現するのか、遺伝が関係するのか等、解明されていない部分が殆どだった。

 が、特に謎が解明されなくとも、双様とは別段珍しくもなく存在する特性、例えるなら、人が普通に一生を過ごす中で二、三人は出会える、それくらいの割合で存在するのが、双様だった。カダルフィユも、同じ双様に出会ったことが何度かある。

 

 ありがたいことに、カダルフィユは器としては完全に男性の双様で、産まれた時から男として育てられ、且つ成長しても、女性特有の身体的特徴が現われることはなかった。

 背も高く、腕力は強く、声は低く、肩幅は広く、尻は小さく、胸板は平らなままだ。それでも、身体の構造の理屈からいえば、子を孕む事ができる。毎月血を流す臓器、子宮があるからだ。

 仮に子を孕んだとしたら、この真っ平らな胸からも母乳なるものが出るのだろうか?などと考えた事もあるが、残念ながら自分が孕む気は、全く無い。使用する事のない、無駄な臓器・・・月に一度、鬱陶しい自己主張をしてくるだけの臓器があるだけだ。

 カダルフィユは、自分が双様である事を隠しはしなかったが、別に公言もしなかった。というより殆どそれについて意識をしたことがなかった。ただの男としてしか生きてこなかったので、彼が双様であるのを知らない者も多い。今までの恋愛相手は全て女性で、これからも女性としか付きあわないし、当然、結婚する相手も女性だと思っている。


 双様は大抵、非常に整った容姿、という特徴があった。そして性的には男女どちらとも恋愛、婚姻関係が結べるので、恋愛絡みの刃傷沙汰には双様が絡んでいる事が、しばしばあった。

 美しく、妖しく、男も女も誑かせる、そういった意味では魔性を具現化したような存在なのかもしれない。恋愛相手は双様に限る、など嘯く趣味の者も存在する。

 双様とはそのようなものなので、時には嫌がられたり、逆に羨ましがられたりもする。が、カダルフィユの様に完全に男性、又は女性として育ってきた者にとっては、少しだけ特別視をされるだけの、これといって得もしない、面倒な特性だった。


 だが、幼い頃より乳兄弟のガイコが世話役として付けられ、士官学校に入り、軍に配属後も、カダルフィユの傍に陰日向となって付き従ってくれていたのは、両親、そしてガウディウムの配慮であったのだろうという、その理由を理解している。

 双様の恩恵か、カダルフィユは幼い頃から美しい少年だった、それがダブルだと知られれば、邪な気持ちを持つ者が寄ってきてもおかしくはない。ガイコはカダルフィユに不届き者を近寄らせない、護衛の役目も担っていた。

 鍛錬により鍛えられた今となっては、仮にそんな物好きがいたとしても、即、腕をひねりあげるくらいの自信はある。

 ダブルだからという理由で、男として舐められるのは嫌だった。いつまでも守られ続けているのは、矜持が許さなかった。ならば、自身を鍛えるのみである。鍛えて、鍛錬をして、父の後を継ぎ立派な軍人となり、誰にも文句のつけようのない、男として生きてゆきたい。


 カダルフィユは生真面目に、そしてコツコツと努力を重ねた。

 生真面目な青年は士官学校を首席で卒業し、花華軍に入隊後、任務において何度も武功をあげた。七光り、ダブルのくせに、と陰口を叩く者たちを、カダルフィユは実直な力技でねじ伏せた。

 輝く白金の髪を鬣のようになびかせ、疾風のように馬を駆り刀を振るう彼に、いつしか「白獅子」というあだ名がついた。誰が呼んだか知らぬが、これには少々揶揄する意味もあるのだろう。カダルフィユ自身は、その呼び名が好きではない。

 ともあれ、カダルフィユは若くして陸護の隊長に就任するまでの優秀な軍人となった。もう、ガイコが傍に控えていなくとも、自分で自分の身は守れる程の力と術を持っているのだ。

 

 そうでありながら今回の異動について、ガイコを伴う様、我儘を通したので、ガイコ離れができていない、と叔父から説教されても、ぐうの音も出ない。

 因みに、そんな主の我儘に翻弄されたガイコは、大層な女たらしに育った。

 主人の美形ぶりに押され気味ではあるが、屈強な体躯ながら穏やかで優しげな印象の大男は、前述のとおり人の心を和ませるものを持っており、いつでも女性からの人気が高い。

 また、ガイコも押しに弱く、というよりも来るもの拒まず、という性質だったので、美青年だが馬鹿真面目、話下手なカダルフィユよりも、よほど女性経験が豊富なのであった。

 ガイコは女にもてる一方、別れる時は決して女性を傷つけることなく、綺麗に別れた。

 女たらしは褒められたものではないが、女性に対して鬼畜な所業に及ぶのでなければ別にいいけれど、と、カダルフィユはこれもまた、少しの羨望を持って眺めるのだった。


                     To be continued・・・→


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ