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7話 救世主リリナ

翌日。



宿にて朝食を済ませた三人は、サツキのいる教会へ向かっていた。


街は昨日よりも人が多く、賑わっていた。



その教会は街のはずれにあったが、圧倒的な存在感と威圧感を放っていた。



「教会なのに、なんだか圧があるね…」



ルエルはそう零すと、教会の扉をノックした。



すると、サツキが中から出てきた。



「どちら様でしょう…って、昨日の…ルエルさんたち!来てくださりありがとうございます、中へどうぞ…

!」



サツキの話し方に違和感を覚える三人。



「あれ?スラスラ話せてる?」



ルエルの問いかけにサツキは笑顔で答える。



「はい!昨日、あの後リリナ様が治してくださったんです!」



サツキはそう言いながら扉を目一杯開け、どうぞと手を中へ伸ばした。



三人はお礼を言って中に入る。


歩きながら、ルエルはサツキに聞く。



「そのリリナ様ってそんなに凄い方なのかい?」


サツキは当然と言ったように頷き、口を開く。



「はい、リリナ様はこの街に現れた救世主様です。今は私たち孤児の母親となって世話をしてくださっていますが、その前は崩壊した街の復興の手伝いをなされていたと伺っております。」


「救世主?」


「この街のシンボルである噴水はもう見ましたか?実は去年、あれの水が尽きてしまったのです。」



サツキは思い出すように少し上を向く。



「この街はあの噴水を中心に回っているので、噴水の水が尽きること、それはこの街の終わりを意味するのです。」


「えっ、そんな…」


「しかし、そこにリリナ様が来られて、魔法を使って再び噴水に水を流してくださいました。」



サツキはその時の感動を3人に伝えようと身振り手振りしながら話す。


話を聞きながら教会の中を歩いていると、ひとつの大きな扉の前に来た。



「こちらが、リリナ様のいらっしゃるお部屋です。」


そう言って扉を開けようとするサツキを見て、ルエルが慌てて止めた。


「そ、そんな凄い人と俺らみたいな部外者が会っちゃってもいいのかい!?」



するとサツキは、意味がわからないというように首を傾げた。



「部外者ではないでしょう?昨日会った、それだけで私たちはもう友達です。」



それに、とサツキは続ける。



「昨日リリナ様にあなた方の話をした際、是非会ってみたいと仰っていましたので。」


「そうなんだ…それなら…」



さあ、と再び扉を開けようとするサツキに負けて、ルエルたちは素直に会うことにした。




扉の向こうは煌びやかな空間が広がっていた。


大きなシャンデリアの照らすその部屋の奥に、彼女は座っていた。


傍に控える青年がこちらを睨む。


それに気づいたサツキが慌てて口を開く。



「リリナ様!兄様!昨日お話した方々が来られたので、連れてまいりました!」



すると、彼女は花のようにふわっと微笑み言った。




「ありがとう、サツキ。…私はリリナ、ぜひ仲良くしてほしいわ。」

ご閲覧いただきありがとうございます!


少しでも「面白い!」「続きが読みたい!」と感じて頂けましたら、ブックマークや☆☆☆☆☆で応援していただけたら嬉しいです。


「吟遊詩人は最強を謳う」

を、これからもよろしくお願いします!



朱秋るい

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