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4話 着いてきている少女

すっかり太陽も沈み、月が顔を出し始めた頃。


ルエルとシュフレはペレンニスを歩いていた。


そしてそれを追う1人の少女。



「ねぇ、ルエル?誰か追ってきてる気がするんだけど…」

「俺も思ってたよ、確かめてみるかい?」



ルエルは振り向いて近くの柱に近づいた。



「誰かいるの?」

「あっ」


シュフレも近づいて覗くと、そこには美しい金髪を持った狐耳の少女がいた。



「あ、ヒカゲじゃないか!」

「え、ルエル知り合い?」

「同じギルドだったんだよ!…どうしてここに?」



ルエルがヒカゲと呼ばれた少女を見ると、少女は申し訳なさそうに下を向いた。


「ルエルがギルドを脱退してから、追いかけていたの。ごめんなさい…」

「なるほど、ルエルの熱烈なファンらしいね。」


どうする?とルエルの方を見るシュフレ。


「謝らないで、別に構わないよ。でも、それなら声をかけてくれれば良かったのに…」


少女はシュフレを見ながら話す。


「そうしようとしたんだけど、話しかけるタイミングを見失っちゃったの。ルエル、この人誰かしら?」


「シュフレ・ストリアータ。俺の幼なじみだよ。」


少女の方を見ながらシュフレを紹介する。

次に、シュフレを見ながら少女の名前を言った。


「シュフレ、彼女はヒカゲ・マンジュリカ。さっきも言ったけど、同じギルドのメンバーだった子だよ。」


ヒカゲは納得したように頷いて、頭を下げる。


「よろしく、シュフレ。」

「こちらこそよろしく、ヒカゲちゃん」



すると、ルエルは思い出したようにあっと声を出す。



「ヒカゲ、もうかなり暗くなったけど、ギルドに戻らなくていいのかい?俺が言えたことじゃないけど。」



ルエルの所属していたギルドはなかなか厳しく、門限は18時、それ以降の自由行動を一切禁じていた。


ルエルのようにそれを破って出歩く者も少なくはないが。



「…実はあの後、私もギルドを追い出されてしまったの。お前みたいな弱虫はうちにはいらないって、ギルマスに言われちゃって……」


彼女の狐耳がどんどん下がっていく。


それを見たルエルはシュフレの目を見つめた。


ルエルが何を伝えたいか理解したシュフレは、少し考えた後頷いた。



「……ヒカゲ、それなら俺たちと一緒に来るかい?」


「え、いいの!?」


ピンッと嬉しそうに立った耳を見て、わかりやすい子だなとシュフレは思った。



「あ、でも私、弱いし…」

「そんなことないさ。ヒカゲの火矢は心強いよ。」


「矢?ヒカゲちゃんはアーチャーなのかい?」


シュフレがきくと、ヒカゲは背中に背負っていた弓矢を取り出す。


「ええ、実力はまだまだなんだけど…」



「いや、心強いよ!僕たちは2人とも近距離だからさ!」


シュフレが目を輝かせてヒカゲの手を取る。


「そ、そうかしら…?」

「そうだよ!」


ヒカゲは満更でもないように笑う。


「あ、ヒカゲ照れてる?浮気?」


ルエルはわざとしゅんとしてみせる。


「照れてないわよ!いい!?私はルエル一筋なんだからね!」

「おや、熱烈だね。やったじゃんルエル。」

「改めて言われると照れるんだけど。」




ワイワイと話しながら歩き始める3人。


早くも心強い仲間ができ、顔には出ていないが、ルエルはとても嬉しかった。

ご閲覧いただきありがとうございます!


少しでも「面白い!」「続きが読みたい!」と感じて頂けましたら、ブックマークや☆☆☆☆☆で応援していただけたら嬉しいです。


「吟遊詩人は最強を謳う」

を、これからもよろしくお願いします!



朱秋るい

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