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2話 大図書館での再開

「キシャアアアアアア」


振られた尾を躱して剣を構える。


「ソードスキル【バーチカル】!」


下から上に垂直に打ち上げる。


綺麗に二等分になる。


「キ、キシャアアア…アア……」


戦っていた大蛇は青い欠片となって天に昇る代わりに、手のひらに乗るくらいの小瓶が落ちていた。


「これって【大蛇の唾液】?効果は確か対象を毒にするとかだった気がするけど…おえ、使いたくないな。」


嫌な顔をしながらも小瓶を鞄にしまって再び歩き始める。



現在ルエルは大都市【ペレンニス】に向かっていた。


ペレンニスにある大図書館のスキル書を漁って使えるスキルを増やそうとしているのである。



「(地図ないし、これって辿り着くかな!!!)」



ルエルは大都市から離れた砂漠にいた。



  ◆ ◆ ◆



「ふぅ…よかった、何とか来れた。」


目の前には大きな門。


それを潜ると街の中を様々な人種が楽しそうに行き交っていた。


「(ええっと、大図書館はこっちだっけ。)」


果物屋を右に曲がると大きな建物が見えた。


「(正解!それにしても大きいなぁ。)」


さすが王国最大の図書館である。



「すみませーん、スキル書ってどの棚です?」


「2階の右奥の棚です。」


受付に座っている女性が笑顔で淡々と答える。


少しよそよそしさを感じるがそれが仕事であるのだから仕方がない。


「ありがとうございます。」


言われた通り階段をのぼって右奥の棚を目指す。


「うわ、これ全部スキル書?」


そこには棚に上から下までびっしり詰まったスキル書があった。


気が遠くなるような量である。


各地のスキル書が集まっているため同じスキルなどひとつもない。


「これは速読のスキルを身につけてからじゃなきゃ厳しいかなぁ。そういう非戦闘系のスキルは…」


取り出して捲る。


スキルの名前、方法を見る度にスキル習得の音が鳴る。

正直うるさい。


「(そういえば、この音ギルドに居た時も聞いたけどずっと空耳だと思ってたな。)」


ギルドに居た時を思い出してみる。


「(レベルアップの表示はあるのにスキル習得の表示がなかったのは不思議だなぁ。)」


どうしても気になり、音が鳴るとともに目を凝らして探してみると。


___________


スキル【速読】を習得しました

___________



「(あ、あったーーーーー!!!!ってちっさ!!)」



視界の右下に1cmよりも小さな文字で書いてあった。


「(これは普通気づかないって。あ、拡大できるんだ。)」


文字に手を当てて広げてみたら大きくできた。


「(とにかく速読も習得できたし、今日の夕方までには全部読もう!)」




夕方近くになると人が増えてきた。


ルエルのいた机にも本を読む人が集まってきていた。


ルエルも速読のおかげで大分読み進めた。


あと1時間もかからず終わるだろう。




「(次は回復系だね…えっと……)」



「すみません、隣いいですか?」


「あぁ、構いませんよって…」



横から声がかけられた。


左目を濃い紫色の髪で隠した漆黒の瞳の青年をルエルは知っていた。



「もしかして、シュフレかい!?」


「…うん、そうだよ。」


「久しぶりだね!何年ぶりかな?」


「10年くらいじゃない?」



この青年の名は【シュフレ・ストリアータ】。


ルエルの幼馴染である。

ご閲覧いただきありがとうございます!


少しでも「面白い!」「続きが読みたい!」と感じて頂けましたら、ブックマークや☆☆☆☆☆で応援していただけたら嬉しいです。


「吟遊詩人は最強を謳う」

を、これからもよろしくお願いします!



朱秋るい

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