第四会場
●母をたずねて ―神力使いの娘は神に祈らない―
なんだか……すごく世界がある感じがあります。
主人公の人間関係や、世界設定などいろいろふかく作りこんでいるように感じられて、長編に耐えうるだけの強度がありそうだなーという印象です。
冒頭の意味深なシーン、主人公と母の関係、主人公とセラの関係、神力、鈍人など、主要な設定以外にも、
セラのお父さんのことや、主人公の部屋の汚さなど、細かい設定があるのが、個人的には楽しかった。
もっとも、書き出しだけで考えると、細かい情報はノイズになりやすいので……そこらへんは好みの問題にもなってきそうです。
私としてはこういう世界観はワクワクするのですが……文章で読んだ時に、作者さんの頭の中にあるものが充分に楽しめるかと言えば、あまり自信がありません。
きっと、読み落としてる情報とか、目が滑っちゃったりしている部分があると思います。
(きっと、アニメとかゲームとか、映像で提示されたら全く気にならないと思う)
それとも関係して気になっているのは、「この冒頭で、読者をどのように惹きつけようとしているのか」というのが若干不明瞭なところ。
冒頭の謎めいた部分は、確かに読者をひきつけるポイントになると思います。
さらに、主人公と母親の関係性ももう一つ、読者を引き込む部分でしょう。
最後のに鈍人との戦闘(?)も、次の話への引きのはず。
しかし、それぞれがあまり関連していない(ように見える)ので、読者としてはどこにフォーカスをすればいいかちょっとわかりにくいです。
「もしかして鈍人に神力を使うつもり!?」というのが最後の文ですが、鈍人というものが何なのか、神力というのがどういうものなのか、はっきりしているとよりドキドキするんじゃないかなと思います。
(本文中に描写はあるのですが……分量の関係もあり、いまいち実感として伝わってきていないという印象です)
何より気になったのがアウリリャという名前。
発音しようとすると噛みます。
すみません、私の活舌が悪いだけです。