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おうこく!  作者: 伊達 虎浩
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第2章トランプすごろく決着…上

『登場人物』

 ・水瀬 りの

 現役高校生アイドル。不運な事故にあって死んでしまったが、神さまが半分生き返らせてくれた。

 生き返る為には、何もない荒野に国を作る事である。

 ・アリア

 りのの手助けをする為、神さまからいただいた妖精。

 1日3回まで、お助けアイテムをだしてくれる。

 ・ゴン太

 神さまから頂いた牛小屋に居た牛。

 前世はバーを経営するオカマである。

 ・モッキー

 猿山連合国でついてきた猿。

 前世はDJだったらしい。

 ・ミツバ

 トランプ王国で出会ったウサギ。

 可愛い三つ葉のクローバーをつけている。

 ・ヨツバ

 トランプ王国で出会ったウサギ。

 可愛い四つ葉のクローバーをつけている。


【本編】


 顔をあげると、小屋に置いてきたはずのゴン太とモッキーの姿が目に飛び込んできた。

 幻覚というヤツだろうか。

 りのは目をゴシゴシこする。


「やいやいお前等YO!オレっちのリノっちに、何て愉快な事してくれちゃってるわけ〜?」


「何処が愉快だって言うんだい?ホラ、アンタも、泣いていないで立ち上がりな」


「う…うん」


 何故ここにいるのか?嫌、そんな事はどうでもいい。


「クスクスクス。見てよヨツバ」


「スクスクスク。見たわミツバ」


 ミツバとヨツバは鼻で笑う。


「お願い!アリアと私を助けて!」


 アリアを、ではない。


 アリアと私を、だ。


「言えるじゃないかい」


 そんなりのの言葉を聞いて、ゴン太は嬉しそうに尻尾を振った。


「オレっちのリノっちを泣かせた罪を、思い知らせてやるZE」


 ビシッと指をさすモッキーを見ながら、大きな間違いがあるYOと思ったが、口にはしなかった。


「クスクスクス。大丈夫かしら」


「スクスクスク。大丈夫じゃないでしょう」


 それでも、やるという選択肢しか残されていない。


「私は、私達を賭けるわ!!」


 右手を胸にあて、りのは叫んだ。

 アリアを取り戻す為に、ゴン太かモッキーどちらかを賭ける事など選べない。


「クスクスクス。プレイヤーを賭ける事は」


「スクスクスク。できない」


「そ、そうだった…じゃ、じゃぁ私自身を賭ける」


「スクスクスク。だからプレイヤーは…」


「プレイヤーはゴン太とモッキーよ」


「…!?」


 先ほどのゲームの事を思い出す。

 アリアは普通にゲームに参加していた。

 ハメられたのだとしても、二人はそれを黙認している。ならば、それ自体はルールに違反していないはずであり、それを否定する事など出来ないはずである。


 否定する=先ほどのゲームも無効になるのだから。


「待ちな」


 りのの提案に、待ったをかけたのは、モッキーであった。


「プレイヤーはコイツで、オレっちもリノっちと一緒になるZE」


「え、でも…」


 戸惑うりの。しかし、モッキーは続ける。


「コッチは二人賭けるんだから、そっちもアリアっちともう一人賭けな」


 ビシッと指をさして相手を威嚇するモッキー。


「そうだね。もしも負けた場合、りのがとられてしまうからねぇ」


 りの達が負けた場合、りのとアリアを取り戻す為に、ゴン太とモッキーで再戦しようにも、ルールを熟知していない二人では勝ち目がない。

 ならば、この勝負に全てを賭ける必要がある。


 りのがプレイヤーになるという選択肢もあるが、短い付き合いながら、この娘は絶対にそれを選ばないだろうと理解していた。


「スクスクスク。いいだろう」


「クスクスクス。私達が負ける事などないのだから」


「スクスクスク。では尋常に」


『勝負よ!!』


 こうして、りのはアリアを取り戻すべく、再びトランプすごろくに挑むのであった。


 ーーーーーーーーーー


「ルールの確認と、私達が勝った場合について説明してくれない?」


 ルールの確認はモッキーとゴン太の為に必要なものであり、勝った場合についての説明は、ハメられない為には、きちんと相手に言わせる必要があるからであった。


「クスクスクス。ではルールを確認します…」


「スクスクスク。次に勝った場合について…」


 喋る二人の言葉を聞き逃しまいと、りのは耳を澄ました。

 ルールは先ほどと同じであり、勝った場合はアリアとミツバを貰えるという条件まではいい、しかし、意外にもその場合はヨツバも貰えるという条件がつけ加えられていた。


「…プレイヤーは賭けられないんじゃないの?」


 何か裏があるのだろうか?りのは警戒しながら聞いてみた。すると、ヨツバが説明に入る。


「…なるほど。それでいいわ」


 ヨツバの説明を聞いたりのは、納得して了承の意志を伝えた。


 ミツバとヨツバは二人で一人らしい。


 例えば、ミツバとヨツバが負けた場合、アリアとミツバはりののモノになる。

 残ったヨツバは、勝手についてくるとの事であり、今のモッキーみたいなものである。


 逆に、りの達が負けた場合、ゴン太もそうすれば?という提案であった。

 ゴン太一人で、あの小屋に居ても仕方がないでしょ?という事だ。


 願ったり叶ったりの提案を受け入れ、りのはトランプをひくのであった。

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