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北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた  作者: ジュピタースタジオ
第一章 本物のハンター、異世界に行く
38/108

38.さらばサープラスト また会おうみんな


 翌日、またファゴットさんとゆかいに旅して、サープラスト到着。

 たっぷりした商いの資金ができたファゴットさん、「次に会う時はこの街で店でも構えてるかな?」なんて茶目っ気出して笑います。金貨二百枚でそれはちょっと無理じゃないかなあ。


「それよりもエルフの村に商売に来てくださいよ。ファゴットさんなら歓迎ですよ」

「うーん、それには船を買って川イルカも用意して……あ、レンタルでもいいか。護衛は君たちで」

「それは無理」

 方向逆じゃん。

「ですよねえ……」


 あっはっは!

 そうして僕らはまた再会を誓って別れました。



 みんなへのお土産。

 フォークにスプーン。砂糖やいろいろな調味料。極上のヒドラの肉。

 それに、僕たちのベッドをふかふかにできるぐらいの大きな布の反物。針と糸とかの裁縫道具も一式。

 子供たちには山のようなお菓子。

 あとはなにがいいかな。また来ればいいか。


 毛皮製品を作るための道具もいっぱい。アライグマの帽子量産しなきゃ。

 正門から堂々と出て、街道を歩きます。




 森に分け入って、カヌーを探す。

 ありました。よかった。葉っぱがいっぱい落ちてて、掃除するのがちょっと大変。


 ぴいいい――――――――!

 サランが口笛を吹くと、バシャッ。バシャバシャッ!

 キューッ、キューッ!!


 川イルカくんまだいたの!

 一か月もなにしてたの!


 あっはっは!

 もう嬉しいやら懐かしいやら。

 もしいなかったら、マジックバッグで小型の船外機と2サイクル混合ガソリン買うつもりだったけど、イルカくんがいるならいいや。


 奮発してヒドラの肉、切って投げちゃいましたよ。

 ぱくっと咥えて、飲み込んで、大興奮してます。

 それ一枚で金貨一枚だからね。もうちょっと味わってほしいですね。



「そーれーー!」

 靴を脱いでカヌーに放り込んで、川に押し出して、二人、バシャバシャ足を濡らしながら乗り込みます。

 サランが腰まで水に浸かって、川イルカくんをロープでつないで準備はOK。


「じゃ、出発ー!」

「出発――!」


 バシャッバシャッ。

 すい――――……。



 ぐんぐん川をさかのぼっていく川イルカくん。

 元気ですねー。



 また来ようサープラスト!

 また会おうみんなー!



 遠くなる街を、時々振り返りながら、僕らは笑った。


 ふふっ。


 あははははは!


 僕のお嫁さん。大好きなエルフのサラン。

 二人で一緒なら、この先も、ずっと、大丈夫さ。


 ね。


―――――――――――第一章 END――――――――――――







――――作者注釈――――

ここまでのシンの装備。


・レミントンM870

 シンの祖父の遺品。総生産数は1300万挺を超える米レミントンのショットガン。スライドアクションまたはポンプアクションと呼ばれる手動式で、空砲やゴム弾、クレー用弱装弾から強力な3インチマグナムショットシェルまでオートなら作動不良(ジャム)しそうな装弾でも確実に作動し、弾を選ばず信頼性が非常に高い。警察や軍での採用例もきわめて多い。

 現在26インチ散弾銃身、18インチスラッグ銃身、スコープ付きサボットスラグ用ハーフライフル銃身の三本が交換可能。鳥撃ちからシカまで近距離、護衛任務等で使用。

 弾倉はエクステンションチューブにより3発増えて7連発+1。サボットスラグは一発3ドル。通常の装弾(ショットシェル)は1ドル以下。さすがに旧式&安物すぎてこんなものを使ってる人は今時猟友会でも少数派だが、使っているところを見せると「おっいいの使ってるね!」とみんな喜ぶ。古いお方なら誰でも一度はこれを所持していたことがあるという定番中の定番の一つなのだ。シンはライフルを買ったのでハーフライフル・サボットスラグの出番は残念ながらもう無いであろう。


・RWSダイアナM52  

 シンの祖父の遺品。スプリングピストン方式のドイツRWS社製の頑丈なエアライフル。

 口径4.5mm。銃身固定方式のサイドレバーアクションで、命中精度が高く故障が少ない。5.5mmよりも弾丸が高速でドロップしないのでヘタでも命中しやすくハト撃ちはコレに限る。単発式。

 戦前からあるというさすがに旧式&安物すぎてこんなものを使ってる人は今時猟友会では絶滅危惧種。どうせ買うならプリチャージというのが現在の常識なのだが、アメリカでは農家のおっさんだったら誰でもスプリングエアライフルの一丁は納屋に置きっぱなしになっていて、カラスやハトやネズミやリスを撃つのは農作業の一つである。圧縮空気を注入する必要があるポンプやプリチャージと違い、使いたいときすぐに使えるというのがスプリング式の最大の利点であろう。弾丸(ペレット)は一発5セント以下。


・レミントンM700

 米レミントン社製ボルトアクションライフル。口径は308ウィンチェスター。

 100~300mの中、長距離狙撃用。キツネ、コヨーテ等中型動物から鹿、クマ、魔物など大型動物まで。弾丸はいいものを使ってるので一発1.5ドル。

 最大射程は800mだが、シンの腕が追いついていない。

 かつてのシンの祖父の愛用品と同型だが、ステンレス&シンセティックストックで耐久性、耐候性は抜群。口径の種類はおそらく世界一多い万能ライフル。

 発売は1962年とさすがに旧式&安物すぎてこんなものを使ってる人は今時猟友会でも皆無。一人もいない。銃砲店の中古銃の棚でもめったに見られないほどの不人気銃。

 弾倉は4連発固定弾倉。

 実は人気があるかないかというのは地元の銃砲店のカラーである。

 銃砲店だって一番当たる、一番高性能なもの、自分が惚れているものを押したいし、猟師にも勧めたい。何を輸入販売するかは店長の好みというのが大きいのだ。

 サコーばかり扱ってる店もあれば、レミントンばかり扱っている店もあるということで、地方ごとに人気のライフルは異なったりすることがある。


・レミントンM870ソウドオフ

 スライドアクションのレミントンM870を隠し持てるようにした護身用銃。近距離戦闘専用。M870ディア・ハンターのスラッグ銃身と銃床を短く切り詰め、皮ひもを付けて肩から下げられるようにしてある。今時こんなものを以下略。

 弾倉は4連発+1。

 ちなみにレミントンM870は、こんな加工をしなくてもレミントンの純正部品を一つも使わず一丁組み立てることも可能なほど社外カスタムパーツが豊富である。


ここまで読んでいただきありがとうございました。感想など、お待ちしています。

今作品より、章に分けての連載を始めます。

第二章「スライムとマグナム」へと続きます。

以下10話以内の短編集となります。毎日更新。



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