狩猟で役立つロープワーク
世には、「ロープワーク」というロープの結び方に名前が付いたいろんな縛り方があることをアウトドアをたしなむ人なら多少は知識があると思う。
実はこの名前がついている結び方には素人が適当に縛る方法とは決定的な違いがある。それは何かというと、名前が付いた結び方と言うのは、必ず後でほどくことができるようになっているのだ。ロープはほどいて再利用できなければ駄目なのである。
これを知らずに適当に紐やロープを結ぶと、引っ張って力がかかった後、締まって硬くなった結び目をほどくことが全くできず、切るしかなくなる。
ハンターならロープで獲物を引っ張る場面は多い。ぜひ本物のロープワークをマスターしていただきたい。
●やってはいけない縦結び
経験が無い人がロープをつなぐと最初にやってしまうのがこの結び方。結び終わると十字になっているのですぐわかるはず。
これで獲物のけん引などやると必ず後でほどけなくなる。人にロープを貸してこれをやられると「ほどけなくなっちゃった」と笑いながら返して来る。頼むからやめてほしい。これを防ぐには本結びを使う。
二つの縛り方を比べてみてもらうとわかると思うが、二回目の巻き付け方が逆になっているだけである。たったこれだけの違いで、「後で絶対ほどけなくなる結び方」と、「後でちゃんとほどける結び方」の差ができる。
それではハンターだったらぜひ覚えてもらいたい最重要の結び方を三種、厳選してご紹介したい。
●1.もやい結び
ロープの先に輪を作る結び方。この結び方で結んだ輪は引っ張っても輪の大きさが変わらない。いかにもロープワークらしい一番基本的なもので、映画「ジョーズ」で署長がやらされていたようにロープワークで一番最初に習うやり方である。
獲物にロープをかけるときは、必ず頭にロープを結ぶ。
後ろ足や前足にロープをかけると、引っ張るとき獲物の毛並みに対して逆毛となり、引っ張る重さが倍ぐらいに感じられるので厳禁である。
●2.ツェッペリンベント
ロープをつなぐために結ぶやり方は、一番最初に書いた「本結び」の他に、外科結び、一重つぎ、二重つぎ、八の字結び、テグス結びなどいろいろあるが、一度使ってみればもうこれ以外の結び方はやりたくなくなるほど優秀なのがこれ。どんなに大きな力で(ランドクルーザーで!)引っ張っても決して結び目が固くならず必ずほどける。思いついた人は天才ではないかと思う。本結びは覚えなくてもいいからこれだけ覚えてほしい。
名前の通りドイツ風の結び方。
●3.バタフライノット
ロープの途中に大きさの変わらない輪を作る方法である。
獲物にロープをつなぎみんなで引っ張るとき、綱引き風にただロープをつかんで引くだけでは手が滑るだけで力が入らない。このように途中に人数分の輪を作ると引くのが楽だ。先頭の人はもやい結びで良い。
●名前の付いたロープワークの共通点
さてここまで名前がついて現代まで残っているロープの結び方を見れば、一つ共通点を見つけることができる。後でほどけるロープワークというのは、結び目の輪に必ず「ロープが二本通っている」のである。
もし結び目がこうなってなかったとしたらそれは縛り方が間違っていて、後でほどけなくなるということだ。結ぶときは注意してもらいたい。
ロープワークは練習が必要だ。ロープワークの本を買って、1mぐらいの紐を用意して暇があればいろんな結び方をやってみるのも良いと思う。
●波刃とマーリンスパイク
映画「ジョーズ」にも出てきた通り船乗りには様々なロープワークが必須となる。ヨットマン用のナイフにはマーリンスパイクという、尖った推が付いているが、これは結び目に差し込んでロープを緩めるためのツールだ。
また、通常のナイフではどんなに美しく研いだナイフでもつるつると刃が滑るだけでロープは切れない。ロープを切るなら波刃に限る。
大手ナイフメーカーが販売するヨットマンナイフは、このマーリンスパイクと波刃ナイフ、シャックルキー(U字金具回し)の組み合わせが人気で、ロープワークを多用する人には大変便利だ。ぜひネットショップで検索してみよう。
●滑車
滑車が一~二個あると川や谷に落ちた獲物を引っ張り上げるのに大変楽である。
ただし、使うときはロープの端は木などに縛り付けて必ず「動滑車」として使うこと。
単に滑車として使うと引っ張る方向が変わるだけで引き上げる重さは変わらない。
一個使えば1/2、二個使えば1/4の重さで引ける。
動滑車として使うには、下の図のように「滑車は獲物に取り付ける」と覚えておこう。
●用意するロープ
人力で獲物を引く用途ならばロープ、滑車ともに6mmの樹脂か綿のロープで充分であるが、けん引に車を使うなら樹脂の12mmは欲しいところ。
以上、ロープを結んで、「ほどけなくなっちゃったwww」とならないように気をつけよう!




